2007 Fiscal Year Annual Research Report
戦争処理過程における人の移動と定着-民主化支援からオートノミー(自律性)構築へ
Project/Area Number |
18402016
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中西 久枝 Nagoya University, 大学院・国際開発研究科, 教授 (40207832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定形 衛 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20178693)
吉川 元 上智大学, 外国語学部, 教授 (50153143)
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Keywords | トランスナショナル / 国際協力論 / 国際交流論 / 国際社会・エスニシティ / グローバルイッシュー |
Research Abstract |
(1)「人の移動と定着」という本研究課題に基づき、ディアスポラ(民族の離散)をテーマにした部会「「新しい戦争」を国際政治学会で吉川のリーダーシップのもとに企画し、中西久枝、定形衛が本課題の研究成果の一端として報告した。中西は、「中東の紛争とディアスポラ政治-イラン・アフガンディアスポラを事例に」、定形は「「旧ユーゴスラヴィア紛争とディアスポラ問題:クロアチアとコソヴォを事例に」をそれぞれ報告した。中西は、イランのアフガン人コミュニティとトルコのイラク・トルコマン人のコミュニティの比較考察を行った。部会は70名以上の観衆を集め、活発な議論が展開された。 (2)中西は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(2008年2月)、トルコ戦略研究所(2007年8月)にて文献調査を実施した。また、2007年8月、アンカラ、イスタンブールにてイラクトルコマン人コミュニティについて、バクー(アゼルバイジャン)にてナゴルノ・カラバフのアゼルバイジャン人の難民キャンプの実態調査を行った。これらの調査より、紛争の烈度、人間の安全保障に関わる要因と人の移動との連動性と難民受け入れ国家の体制の問題点を洗い出すことができた。定形は、ポズナニ大学(ポーランド)、カレル大学(チェコ)において調査を行い(11月24日〜12月3日)、同国における国境線の変更(ポーランド)、連邦解体後(チェコ)における人の移動に伴う文化変容、社会経済構造の変動についての聞き取り、資料収集を行い、紛争、国家形態の変化と「人の移動」の問題点について研究を深めた。吉川は、人道的干渉と民主主義という概念がいかに紛争後の平和構築のあり方に影響を与えたのかを、著書「国際安全保障論」で論じた。
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Research Products
(8 results)