2008 Fiscal Year Annual Research Report
戦争処理過程における人の移動と定着-民主化支援からオートノミー(自律性)構築へ
Project/Area Number |
18402016
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中西 久枝 Nagoya University, 大学院・国際開発研究科, 教授 (40207832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定形 衛 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20178693)
吉川 元 上智大学, 外国語学部, 教授 (50153143)
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Keywords | トランスナショナル / 国際協力論 / 国際交流論 / 国際社会・エスニシティ / グローバルイッシュー |
Research Abstract |
本研究課題の研究としては、最終年度であったため、今年度は、研究成果の取りまとめとその公開を主とした活動を実施した。 (1) 中西は、国際安全保障学会20年度年次大会にて、戦略研究と平和研究における紛争や戦争の概念の変遷と紛争・戦争処理過程における民族の政治的・経済的・社会的権利の保障の問題点として、パレスチナ、アフガニスタンにおける諸民族及びイラク、トルコのトルコ系民族の処遇について事例をあげて報告し、これまでの戦略・平和研究の諸問題と民主化支援の枠組みの限界を論じた。これらは、本研究が開始された18年度以来の研究成果を総合したものであった。また、「グローバリゼーションと紛争」に関する研究論文を発表し、そのなかでディアスポラ政治が現在の紛争のありかたに与える影響について分析した。 (3) 中西・定形は、セルビア共和国のベオグラードにある政治学研究所が開催した国際会議「冷戦後のバルカンと中東」にて、それぞれ本科研の研究成果を公開し、研究者たちと紛争後の民族の共存・共生を実現することの課題ついて、バルカン半島、中東を事例に議論した。コソボ独立後のセルビア人マイノリティの自治とセルビア共和国への再統合問題、中東ではイランのアフガン難民をはじめとする越境する人々の人権の保障について活発な意見交換を行った。 (3) 吉川は、ナゴルノ・カラバフでの初年度のフィールド調査及びその後のマイノリティ一般に関する文献収集とその分析によって、国際的な安全保障体制におけるマイノリティに関する本を2冊出版した。
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Research Products
(8 results)