2008 Fiscal Year Annual Research Report
EUサブリージョンと東アジア共同体:地域ガバナンス間の国際連携モデル構築
Project/Area Number |
18402017
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
多賀 秀敏 Waseda University, 社会科学総合学術院, 教授 (30143746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 幸男 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (00162496)
佐渡友 哲 日本大学, 法学部, 教授 (80178798)
高橋 和 山形大学, 人文学部, 教授 (50238094)
柑本 英雄 弘前大学, 人文学部, 准教授 (00308230)
臼井 陽一郎 新潟国際情報大学, 情報文化学部, 教授 (90267451)
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Keywords | 東アジア共同体 / EUサブリージョン / 地域ガバナンス / 国際連携モデル構築 / 北海サブリージョン / 環日本海圏 / 環黄海圏 / 大メコン地域圏(GMS) |
Research Abstract |
研究チームは、本科研費の助成により期間内に複数回の海外調査を行い、サブリージョンを中心に地域ガバナンス間の国際比較分類モデルを構築し初期の目標を達成した。すでに報告書を発行し、webサイトにより成果の公開を予定している。 この研究から、新たに重要な研究課題が発見された。ひとつは、国家間のリージョン形成が未発達な東アジアには、国家間の公式の越境空間次元とは別に、伝統的に非公式な越境ないし跨境的次元が存在する事実である。もうひとつは、GMSが、欧州にもない特殊なサブリージョン形成の動きであることであった。国際広域経営の視点からまず交通インフラ整備を優先した国際プロジェクトが、GMSにほかならない。紛争の地であったインドシナにおけるGMSは、国家間安全保障や信頼醸成、中央一地方関係、地方政府の国際的活動などの視点からも注目される。研究チームは19年にGMS現地調査を行った。短期間にもかかわらず、中国、タイ、ラオス、ベトナム間の国境を延べ10回越え多くの発見をした。GMSに関しては、当チームが行ったような、経済学のみならず、政治学、社会学、国際政治学、国際関係論、法学、歴史学、地域研究など総合的に接近する研究が少ないこともわかった。 期間内の成果公開では、たとえば、(1)研究代表者が得られた知見を英字紙に発表したほか、国際学会での発表を数回行った。(2)研究報告書の出版(日本語)をし、ウェブペーパー(英文)としてネット上の公表を準備中であり、(3)また、本研究に参加する研究者がそれぞれ本研究の成果を大学・大学院における教育の場に還元してきた。研究チーム・メンバーは、年齢層の厚い研究者によって構成された。研究協力者として助教・助手(任期制)、大学院生(博士後期課程)の若手研究者が参加しており、本研究で得られた知見の共有と議論の場が、若手研究者の育成に資するところ大であったと考える。
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Research Products
(15 results)