2006 Fiscal Year Annual Research Report
中国の大衆消費社会成立過程における消費生活・消費者行動の実態調査研究
Project/Area Number |
18402020
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
李 海峰 山口大学, 経済学部, 教授 (00346545)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米谷 雅之 広島経済大学, 経済学部, 教授 (50034864)
陳 建平 山口大学, 経済学部, 教授 (40253132)
|
Keywords | 中国の市場経済発展 / 大衆消費社会 / 消費実態調査 / 消費者行動の変化 |
Research Abstract |
本研究は、中国における市場経済発展の過程において社会経済がどのように変動しているか、大衆消費社会がどのように形成されているか等について、経済水準の異なる都市で消費者の生活や意識行動の調査を行い、中国における大衆消費社会の成立プロセスを解明するための2年間の研究である。 今年度は初年度であり、前半は研究計画のとおりに、ランダムに選定された経済力水準の異なる6つの都市・地域(北京に近い最大の沿海都市の一つである天津市、東北部の大都市藩陽市に近い旧炭鉱都市の阜新市、河北省の農村部の小都市のラン平県、西部開発地域の山西省にある新興の炭鉱都市の塑州市、それに西南部地域の貴陽市、少数民族居住の小都市の凱里市などの都市や地域)において、2006年5月から10月まで調査を実施した。アンケート調査の回答・収集にやや困難な面があったが、何とか計画通りに調査を終えることができた。 後半はこれらの地域・都市での調査データの集計や解析を予定しており、今後本格的な解析作業を予定しているが、一部の解析結果に基づいて、幾つかの研究論文をまとめることができた。それらは、アジア経済研究所編集の『中国内陸部の地域開発戦略-西南地域の事例-』や『山口経済研雑誌』等の学術雑誌に掲載するとともに、日本消費者教育学会などに発表したほか、いくつかの作成中、もしくは投稿中の論文もある。共同研究著書の出版も今年9月に予定されている。これと同時に、次年度の調査準備の作業もすでに進めている。無作為によるサンプルの抽出(各都市200世帯-300世帯)など具体的な内容やスケジュールについての交渉を中国側と行い、昨年と同様に調査段階での質の良いデータ確保のために、調査員に対する専門的な調査知識の教育を確認するとともに、各都市で実験的調査を実施し、問題点などについて検討している。現在、今年度の調査データの統計処理を行うと同時に、来年度の具体的な調査実施の準備を進めているところである。
|