2007 Fiscal Year Annual Research Report
ロシアにおける外国人労働者管理と国内労働市場の変化
Project/Area Number |
18402021
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
堀江 典生 University of Toyama, 極東地域研究センター, 准教授 (50302245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津 定美 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (20081119)
馬 紅梅 松山大学, 経済学部, 准教授 (40389193)
堀内 賢治 早稲田大学, 政治学研究科, 助教 (80329052)
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Keywords | ロシア / 外国人労働者 / 中露貿易 / 移民 / ロシア極東開発 / 入国管理 / 労働許可 |
Research Abstract |
ロシアの移民問題を労働市場との関係において考察し、中国人問題の今日的課題とロシアの外国人管理の課題を検討することを目的とした本研究において、次のような研究成果が得られた。これらは、研究実施計画に沿って行われた調査をもとにした研究成果である。馬は,中口の経済連携に焦点をあて,両国の経済連携が武器からエネルギーに至るまで広範な関係をもち,相互依存関係にあるものの,不法な貿易や投資の少なさなどの問題を抱えていることを論じている。堀内はロシアの東方政策の一環としてのロシア極東地域の地方政府・地方議会と中央政府との関係に関する改革を観察し,本格的な東シベリア・極東のエネルギー資源開発とエネルギーインフラ整備が現実化しつつあることでロシア極東地域における中央・地方間の政治的連携は新たな展開を見せている状況を論じている。 こうした中口両国の経済関係とロシア中央政府のロシア極東への注目は,ひところの中国人移民へのロシア側からの脅威論を駆逐しているように見えるが,それはただ両国経済連携の進展やロシアの極東政策にのみよるものではない。ロシアは,2007年1月以降,移民政策の一新を行い,外国人登録や労働許可の手続きを大きく変えてきた。堀江は,2007年1月のロシアの移民関連法の改定により,ロシアで働く外国人の労働許可などの取得手続きを整理し,それ以前の手続きとの変化を考察し,いまだに旧ソ連地域からの外国人労働者に比べ,旧ソ連以外の国々からの外国人にとっていかにロシアにおける就労手続きが時間がかかりコストがかかるかを論じた。 論文としての耕究成果だけでなく,本年度はロシアでの研究成果発表を積極的に行った。
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