2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18402022
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
布川 日佐史 Shizuoka University, 人文学部, 教授 (70208924)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 秀雄 大阪市立大学, 法学研究科, 教授 (50161534)
上田 真理 福島大学, 行政政策学類, 准教授 (20282254)
|
Keywords | 求職者基礎保障法 / 社会扶助法 / 生活保護 / 公的扶助 / 就労支援 / ワークフェア / 経済政策 / 社会保障法 |
Research Abstract |
2008年9月にドイツ調査を行ない、求職者基礎保障法(SGB II)による最低生活保障及び就労支援の成果と課題に関し、研究者や実施機関に対するヒアリングを行った。その研究成果をもとに、上田真理(研究分担者)嶋田佳宏(連携研究者)が10月の社会保障法学会で報告を行なった。12月のミュンダー教授(ベルリン工科大学)との意見交換をも元に、研究のまとめを行った。3月には嶋田が渡独し、ハネッシュ教授(ダルムシュタット大学)などドイツ側研究者に研究成果を報告した。 研究成果の第1は、ドイツにおける最低生活保障の基準額の算定に係る論点を明らかにしたことである。子どもの最低生活費の算出に異議を表明した社会裁判所の決定を訳出した。 第2に、就労支援の実態を調査し、そこでの変化を明らかにした。フランクフルト市やヘッセン州において、かつての就労扶助の担い手であった機関が新たに取り組んでいる資格のモジュール化や支援メニューの実態を明らかにした。 第3に、求職者基礎保障制度の実施機関である「協同体(ARGE)」を違憲だとした憲法裁判所の判決を検討し、実施機関がどのように見直されようとしているのか、その動向と論点を明らかにした。 これらの研究成果は、日本の生活保護法改正及び雇用保険制度を下支えする制度の創設に向けた議論に検討の素材を提供し、少なからぬ影響を与えることができた。
|