2008 Fiscal Year Annual Research Report
中国内陸部における貧困対策に関する研究ーー「移民新村」政策を中心にしてーー
Project/Area Number |
18402024
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
阿部 照男 Toyo University, アジア文化研究所, 客員研究員 (80058057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横川 伸 東洋大学, 経済学部, 教授 (40166872)
今東 博文 東洋大学, 経済学部, 教授 (60213237)
[カク] 仁平 東洋大学, 経済学部, 教授 (20310526)
針生 清人 東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (90058032)
飯塚 勝重 東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (00385965)
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Keywords | 三農問題 / 中国内陸部 / 貧困対策 / 移民新村 / 扶貧開発 / 退耕還林・還草政策 / 産業構造 / 社会主義新農村 |
Research Abstract |
本研究は、現代中国に於いて緊急に解决を迫られている「貧困問題」特に内陸部農民の「脱貧小康化問題」に焦点を当て、その解决策の一環として新たに打ち出された「移民新村」政策について調査研究し、具体的な実施状況を明らかにし、その成否め条件を分析するもめである。 本年度は,4年計画の3年目に当り、我々自身による現地調査と委託による現地戸口調査という2つの調査の成果に基づき、9月11日〜9月13日中国陝西省延安において「中国における扶貧開発政策と農村経済発展」をテーマに日中国際シンポジュウムを開催した。シンポジストは我々のメンバー以外に日中の専門及び延安市各市・県の政府担当責任者も参加したため、討論は深く且つ実際的であった。いかにして貧困状態を脱するかという理論的追求ばかりでなく、政府施策の浸透程や未だ立ちふさがる障害についても率直な報告が聞かれ、今年度の試みは時宜に合い成功であった。成果は同シンポジュウム報告集及びアジア文化研究所年報43号において報告した。 我々自身の現地調査は、9月14日から19日まで、山西省北部太原・大寨・大同を中心に扶貧対策の一つである 農楽の実態や退耕還林等による黄土地帯緑化を通じて生態環の改善を計る現場を視察調査した。また前年度までに委託調査した陝北地区戸口調査の果を各研究者のデータ解析が容易となるよう製本化し、各人の研究進行に備えた。今年度の研究成果から見ても、中国農村は、急速に進展する社会主義新農村運動が「移民新村」政策を吸収し,新たな観点から農村、特に生態環境の劣悪な山地農村の扶貧活動をも包含する勢いにあり、またこの新政策に乗り遅れまいと必死な地方政府の取り組も見られるようになったのである。
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Research Products
(15 results)