2007 Fiscal Year Annual Research Report
途上国における持続可能な発展戦略と国際支援システムに関する研究
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18402037
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
満田 久義 Bukkyo University, 社会学部, 教授 (60131306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 正明 佛教大学, 社会学部, 教授 (40101042)
林 隆紀 佛教大学, 社会学部, 講師 (20264806)
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Keywords | マラリアアウトブレイク / 公共医学 / 地球温暖化 / 社会疫学 / インドネシア、ロンボク島 / 貧困 / 持続可能な発展 |
Research Abstract |
2005年にインドネシアで起こったマラリアアウトブレクに焦点を当てて、絶対貧困レベルの東ロンボク島を対象に、同地域が抱える経済的・政治的・社会的・文化的、環境的な諸要因間の相互依存関係とマラリアアウトブレイクの発生原因メカニズムの解明を行った。さらに、その解決を目指したマタラム大学医学部の「マラリアコントロールプロジェクト」に参画し、農村開発センター、女性研究所の全面的な協力をえて、国際共同研究を行った。 マラリア高度蔓延地域であり、最も社会経済的な貧困に直面している東ロンボク島のクロワル、ジェロワロ、バルアンハジの3地区を対象地域に、約2000名の住民を対象に、血液検査と約1000名のマラリアに関する質問紙調査を実施し、持続可能な発展戦略の基幹である人間貧困とマラリアとの関連について総合地域診断を実施した。 その結果、今回のマラリアアウトブレイクは、地球温暖化による異常気象の影響を受けており、またマラリア感染率は、1)世帯収入2)教育レベル3)マラリアリスク行動4)母子健康状態と強く関連していることが実証できた。 「マラリアコントロール5カ年行動計画」では、社会学者が疫学医療研究班と連携して研究交流を行う点に優位性が認められた。今後、この行動計画ではマラリア撲滅のために、WHOやインドネシア保健省、海外NPOINGOからの支援の必要性を強くうたっており、本研究では、当該地域での「コミュニティ・地域診療所・大学研究所との協働システム」の構築に対する国際支援活動に焦点をあて、疫学的経験と社会科学的知見を踏まえた現地調を実施する。「子どもたちにマラリア診断キット」を送る日本からの国際支援NPO活動を追証し、途上国への海外支援における「ピンポイント支援」システムの重要性を評価する。そして、東ロンボクにおけるマラリア蔓延地域の社会的実状に合わせたマラリア撲滅プログラムと国際支援体制についてパイロットモデルの構築をめざすわれわれは、国際的な医療支援活動の準備を図った。
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Research Products
(5 results)