2006 Fiscal Year Annual Research Report
非営利民間放送の持続可能な制度と社会的認知 コミュニティ放送のモデルを探る
Project/Area Number |
18402038
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
松浦 さと子 龍谷大学, 経済学部, 助教授 (60319788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 旺 上智大学, 文学部, 教授 (50245792)
津田 正夫 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (20279962)
魚住 真司 関西外国語大学, 外国語学部, 助教授 (20316863)
川上 隆史 広島国際大学, 心理科学部, 助教授 (00341222)
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Keywords | コミュニティ放送 / メディアへの市民参加 / パブリック・アクセス / オープン・チャンネル / 公的財源確保 / 放送制作支援機関 / ジャーナリスト育成・地域人材育成 / 基本的人権としての表現・言論の自由 |
Research Abstract |
本年は、協力者数名の力も得、カナダ、アメリカ、オーストラリア、韓国、ドイツのコミュニティにおける非営利・非商業目的の市民の放送実態について海外事例と制度の調査を行い、先進モデルとして注目できる要素の確認を中心に実施した。 この国々は特に理想的なモデルを提示していると考えられ、多様な市民の参加、コミュニティにおける協働制作体制を確認することで、参加や協働の可能性、その定着の実態が理解できた。社会的に運動を提示する人々、障害者、移民、在住外国人、少数民族、女性、高齢者、子ども、大学生らの表現する番組は実験的なものまで含めて、既存のメディアにないオルタナティブを描きだしている。コミュニティに問題提起し問題解決を促進する工夫があり、放送実施に公共性が伴っていることが確認された。今後、この意義や公共性について検討を進めたい。 また放送の発信主体が既存メディアに比してオルタナティブであることに留まらず、専門家の研修やサポートを受け、番組制作力を充実させ、地域におけるコミュニケーションを豊かにするばかりではなく、メインストリームの業界に就職する道筋を作るシステムも職業訓練の機会として充実させようとしている。しかしインターネットの広範な普及はいずれの国でも進んでおり、それがコミュニティ放送を聴取する状況や必然を分断している。 一方でそうした背景を持ちながらも、受信料、ケーブルテレビ契約料、コミュニティ基金、広告や映像産業から捻出したさまざまな文化基金そして税金など、多様な財源が確保されており、今後関心を向けたい。 さらに、本年、日本国内の非営利コミュニティ放送局やミニFMの視察調査を行い、地域独自の放送を発信し享受しようと希求し活動している人々にヒアリングを行い、その根底にあるものを探った。 19年度は、研究費のさらなる調達を行い、これまで未調査の北欧、南米、フランスなどの調査実績を持つ研究者による現地調査を充実させたい。
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Research Products
(13 results)