2006 Fiscal Year Annual Research Report
スウェーデンの親権と養育支援体制-子どもの最善の利益からみた事例分析
Project/Area Number |
18402039
|
Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
善積 京子 追手門学院大学, 社会学部, 教授 (80123545)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 美恵子 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (90324871)
|
Keywords | 親権 / 養育支援 / 子どもの最善の利益 / スウェーデン / 児童虐待 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
1.離別後の養育権に関する裁判事例の研究 (1)1998年に親子法改正による離別後の両親の共同養育権の強化の影響についての報告書・著書を翻訳し、また、養育権問題に詳しい地方裁判所の判事や研究者へのヒヤリングを行い、2006年7月に施行された「新養育規定」の法的措置のプロセスを解明した。 (2)ストックホルムおよびイェーテボリの地方裁判所に足を運び、離婚・離別後の養育権・子どもとの居住権・面会交渉権に関する訴訟事件をリストアップし、それらの事件の記録ファイルをほぼすべてを複写コピーするか、あるいはデジタルカメラで撮った。これら入手した裁判記録ファイルの件数は、2005年のストックホルム地方裁判所の417件、2004年と2005年のイェーテボリ地方裁判所の302件で、合計719件にのぼる。その中から複雑なケースを選び、65ケースについては日本語への翻訳作業を完了した。 2.家庭内で危険に晒されている子どもへの公的支援に関する研究 (1)文献研究:主にスウェーデン社会福祉庁の最新報告書を整理し、同分野における動向と今後の課題を把握した。同国では子どもに関わる全ての取り決めにおいて、「子どもの最善の利益」を第一義とした上で、各種公的機関と民間ボランティア団体との連携の強化を図っていることが明らかとなった。家庭内で何らかの暴力が生じていたケースで、両親の離別後、いかに「子どもの最善の利益」を考慮した取り決めを行なっているかについて探り、論文を執筆した。 (2)現地調査:ストックホルム大学法学部、同社会学部、イェーテボリ大学ジェンダー研究所の研究者らにインタビューを行う。さらに、ロンネビー社会福祉局のケースワーカーへのヒヤリングを実施し、同分野の研究動向を把握した上で、今後実施する調査内容を検討した。
|
Research Products
(1 results)