2008 Fiscal Year Annual Research Report
スウェーデンの親権と養育支援体制‐子どもの最善の利益からみた事例分析
Project/Area Number |
18402039
|
Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
善積 京子 Otemon Gakuin University, 社会学部, 教授 (80123545)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 美恵子 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (90324871)
|
Keywords | 親権 / 養育支援体制 / 子どもの最善の利益 / スウェーデン / 児童虐待 / 共同養育 / 国際情報交換 / 事例分析 |
Research Abstract |
1. 離別後の養育権に関する裁判事例の研究 (1) スウェーデンの地方裁判所の離婚・離別後の養育・居住・面会に関する訴訟記録を素材にして、基礎情報はSPSS統計パッケージで処理し、全般的訴訟傾向について統計的分析を行った。(2)上記のうちの複雑な訴訟ケースについて、養育・居住・面会に関する判決での「子どもの最善」基準の質的分析を試みた。(3)スウェーデンにおける養育規程の歴史的変遷、養育・居住・面会の司法プロセス、社会福祉サービス機関の実際の業務内容をまとめた。(4)日本の養育権訴訟の実情について弁護士や訴訟経験者などにヒヤリングなどを行い、スウェーデンと日本の養育権・居住権・面会権に関する法体系を比較分析し、日本の親権・監護法制の問題点を析出した。 2. 家庭内で危険に晒されている子どもへの公的支援に関する研究 (1) 子ども虐待対策における関係諸機関の連携のあり方について、平成19年に現地で実施したインタビュー調査結果をふまえた上で更なるインタビュー調査を実施し、業務上の改善点と問題点を整理した。(2)虐待対策としての機関連携の一つである「子どもの家」(Barnahus)の業務に関する評価報告書で指摘されていた、虐待への対応における司法と福祉行政との間の理念の対立と問題点について解明すべく、現地の専門家にインタビュー調査を行った。また司法ならびに福祉の現場で「子どもの最善の利益」がどのように捉えられ実践されているかについて考察した。(3)日本の虐待対策と現状について福祉行政に携わった専門家にヒヤリングを行ない、上記で明らかとなったスウェーデン・モデルから何が学べるかについて検討した。
|
Research Products
(5 results)