2006 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化のもとでの人間形成の総合的研究〜中央アジアとコーカサスの現状と課題
Project/Area Number |
18402043
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
関 啓子 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (20107155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 正典 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (10155640)
澤野 由紀子 聖心女子大学, 文学部, 助教授 (40280515)
中田 康彦 一橋大学, 大学院社会学研究科, 助教授 (80304195)
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Keywords | 人間形成 / 中央アジア / コーカサス / グローバル化 / 教育改革 / 教育をめぐる国際協力 / バナキュラーな価値 / トルコ |
Research Abstract |
2006年度の研究実施計画にもとづき、中央アジアのクルグズスタンとコーカサスのアルメニア、およびトルコにおいて実地調査を行った。 クルグズスタン調査の成果の一つは、民主化ドミノを構成したグルジアとクルグズスタンにおける教育改革の差異を明らかにしたことである。コーカサスと中央アジアの比較研究が内外で取り組まれることが乏しいこともあり、重要な成果と思われる。クルグズスタンでは教育の国際標準化を目指しつつも、それに尽きない独自路線の追求もなされていることが明らかになった。さらに、国際的な支援や協力のあり方が、成人の学習を方向付けること、加えて、支援に触発された成人の学びも学び方が異なると、彼・彼女の生き方の自己決定への影響の仕方に差異が生ずることを見出すことができた。教育の国際支援・協力が政策に影響することは指摘されているが、成人の生涯学習のあり方を介して、大人の発達内容と社会活動に影響を与えるメカニズムを析出した意味は大きいと思われる。さらに、クルグズスタンの制度的な教育に、トルコの影響がことのほか大きいことを確認した。これまで指摘されていなかった事柄である。 アルメニア調査では、ディアスポラの学校支援が独自のバナキュラーな価値の伝達の実現に連動していることを析出した。教育のグローバル化のもとで、経済・社会の現代化が進行した地域でのバナキュラーな価値とその伝達についての実証的な研究例はほとんど見られず、バナキュラーな価値がどのような歴史的経緯でどのようにつくられ、再構築され、伝達されているかの析出は意味が大きいと思われる。 当該地域に対する国際機関やNGOなどの国際教育協力の実態をめぐる資料の収集も順調に実施された。年度末には研究会を実施し、研究の成果の確認と2007年度の研究計画を作成した。
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Research Products
(5 results)