2007 Fiscal Year Annual Research Report
炭素14年代キャリブレーション年代域の拡大に向けた中国東北部火口年縞堆積物の採集
Project/Area Number |
18403002
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北川 浩之 Nagoya University, 大学院・環境学研究科, 准教授 (00234245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 恵二 京都大学, 理学研究科, 教授 (00201608)
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Keywords | 炭素循環 / 年縞堆積物 / 炭素14年代キャリブレーション / 火口湖 / 中国東北部 / 不かく乱堆積物採集 |
Research Abstract |
大気中の二酸化炭素の炭素14濃度は,地球規模炭素循環の変化や地球に飛来する宇宙線強度の経年変化により時間とともに大きく変動することが知られている.炭素14年代はこの変動の影響を受け暦年代(絶対年代)と異なる.本研究では、堆積物の有機物の炭素14測定をすることで過去の大気中の二酸化炭素の14C濃度の変動について調べる。 今年度は,中国黒龍江省及び内モンゴル自治区の「天地」での堆積物試料の中国地質大学,中国吉林大学と共同で採集調査を進めた.中国黒龍江省大連池市市政府,中国黒龍江省国土資源庁及び現地の政府関係者と環境保護区での自然破壊を最小限に抑える堆積物試料採集のあり方について検討した。中国黒龍江省の五大連池火口湖(天池)での環境保護の観点から堆積物採集のボーリング調査は試験的なものに留め、火口湖周辺の調査を中心に表層堆積物の採集にとどめた。内モンゴル自治区に関しては、7つの天池及びその周辺の地形調査を行い、2つの天池から複数の堆積物採集を行ない、その堆積物に含まれる有機・無機地球化学分析及び放射性炭素年代測定を進めた。現在までに、大まかな堆積物編年が終わり、今後高い時間分解能で年代測定をする準備(試料処理)を行なっている。 本研究で、中国黒龍江省及び内モンゴル自治区の天池の湖水の存在に気候変動が大きく影響していることのいくつかの証拠が、野外調査及び堆積物の観察から明らかになり、本研究の目的を達成するためには、天池の形成過程についてのより詳細な地質学な検討が必要であることが明確になった。
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Research Products
(3 results)