2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18403007
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小笠原 宏 Ritsumeikan University, 理工学部, 教授 (40213996)
|
Keywords | 地震活動 / 岩盤歪変化 / 間隙水 / 水没鉱山 / 至近距離観測 / 国際研究者交流 / 南アフリカ:インド |
Research Abstract |
応力が高い岩盤内に間隙水が存在すると、応力や間隙水圧の変化に対し、地震活動が敏感に反応する。だから、深度1〜3kmの鉱山は、採掘中だけでなく、閉山後水没するときも、マグニチュード2以上も含む多数の地震が誘発される。南アフリカのERPM鉱山とBuffelsfontein鉱山では、水没境界付近に計器を埋設し、岩盤挙動の詳細を観測できるため、平成19年度までに地震計などが埋設され、一部は収録を始めることができていた。 しかし、ERPM鉱山は鉱山の収支が悪化し、年度末には閉山となってしまった。それまでの間、一部の観測点をオフライン収録したり、オンライン観測点については閉山後も収録を継続できるようにした。この結果、水没域と採掘域(採掘中と閉山後)の地震活動を比較できるデータが入手できるようになった。 歪計は、設計上の問題のために不安定であったが、その問題を解決し、安定化させることができ、2008年6月にBuffelsfontein鉱山の水没境界の数十m下に埋設することができた。4kHzイベント・トリガー収録では、地震動による歪変化が良好に記録でき、連続収録では地球潮汐を明瞭に記録できた。落盤による収録中断や、データ収録・転送装置の問題による収録中断があったが、2009年1月に鉱山の観測網の更新と同時に問題を解決でき、以後、オンライン連続収録も安定に行われている。観測網付近2〜3km以内でM3〜4の地震が年に2〜3個発生し、水没域の水位が1ヶ月以内に10m以上変化することも確認され、今後、これらに伴う岩盤挙動のデータが蓄積する。 インド国立岩石力学研究所のスリニバサン博士を、2008年11月のアジア国際地震学会(つくば市)に招聘した。博士は、完全に水没している深さ3kmのインドの金鉱山の地震活動を報告し、将来の共同研究に関する代表者らと会議では、前向きに臨むことを確認した。
|
Research Products
(4 results)