2007 Fiscal Year Annual Research Report
イドリヤ旧水銀鉱山(スロベニア共和国)周辺地域における水銀の動態とその環境影響
Project/Area Number |
18404001
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
冨安 卓滋 Kagoshima University, 理学部, 教授 (60217552)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 明人 国立水俣病総合研究センター, 疫学研究部, リスク評価室長 (00393463)
井村 隆介 鹿児島大学, 理学部, 准教授 (40284864)
宮本 旬子 鹿児島大学, 理学部, 准教授 (40244222)
大木 公彦 鹿児島大学, 総合研究博物館, 教授 (90041235)
穴澤 活郎 鹿児島大学, 理学部, 准教授 (90325762)
|
Keywords | 水銀 / 動態 / 環境影響 / 水銀鉱山 / スロベニア |
Research Abstract |
本年度のスロベニア共和国における調査は、5月25日〜6月3日に実施した。25日に研究協力者ミレナホルバット博士(ヨゼフステファン研究所)とこれまでの研究結果をふまえて検討会を行い、それに基づき、イドリヤ旧水銀鉱山地域中央を流れるイドリヤ川沿いに土壌、底質および河川水を採取した。土壌試料は、昨年度採取した地点の最も下流の地点とそのさらに下流となる地点の二地点において、それぞれ川岸から森林部に向けて数十メートル間隔に3-4点柱状採泥器で採取した。採取した土壌は、断面を観察した後、層ごとに切り分けチャック付きビニール袋にいれて日本へ持ち帰った。これらの試料は現在総水銀及びメチル水銀の測定のために調製を行っている。また、スロベニアでは河川底質からの水銀の溶出と化学形を明らかにするための溶出試験を行った。河川底質と河川水を遠沈管に採取し、その水相における水銀濃度変化と、その他の主要イオン濃度変化及び酸化還元電位の変化を追跡した。硝酸イオンの挙動と酸化還元電位の変化の間に興味深い相関が見られた。これらとメチル水銀濃度の変化について考察を行っている。採取された土壌試料に対しては、今年度購入した有機炭素測定装置を用いてTOC含有量を測定した。既に得られているメチル水銀量やXRFを用いた土壌成分分析結果と合わせて水銀の化学形変化と植物の役割なども含め総合的な考察を行う予定である。また、これまでに得られた土壌中水銀濃度分布から、イドリヤ水銀鉱山周辺への水銀の拡散挙動について考察を行い、8月にドイツで行われたGoldschmidt国際会議において発表を行った。
|