2006 Fiscal Year Annual Research Report
アジア開発途上諸国の水と衛生に関するデータベース構築と水起因衛生リスクの評価
Project/Area Number |
18404002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 秀樹 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (70134971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 晶良 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70169035)
四蔵 茂雄 舞鶴工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (60259893)
李 玉友 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30361140)
荒木 信夫 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (30193072)
上村 繁樹 木更津工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (60300539)
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Keywords | インド / 下水処理の実態調査 / YAP / 費用対効果 / UASB / DHS |
Research Abstract |
アジア都市域における水と衛生に関するデータベースの構築には、信頼性のあるデータが欠かせない。しかしながら開発途上国では下水処理に関するモニタリングなどが十分になされていない。そのため、外部に出てきているデータだけでデータベースを構築することは難しい。また、実際に処理施設が稼働し、設計通りの処理が行われているかは、全く未知である。そこで、本研究では、まずインドにおける下水処理の実態調査の把握を行った。インド全土における実態調査は困難を極めるため、インド政府が1993年よりヤムナ河の水質改善を図るために実施してきたYAP(ヤムナアクションプラン)に着目した。ヤムナ河沿いにはYAPによりこれまでに34の下水処理場が建設されている。そこで実際にこれらの処理場すべてに赴き、pH、DO、COD、SS、ふん便性大腸菌群について測定した。その結果を用いて、YAPで建設された処理場の処理性能を処理方法(UASB法、安定化池法、活性汚泥法、好気性ろ床法)とリンクさせて、データベースを作成した。更にはこれらの結果を用いて、費用対効果について検討を行った。その結果、UASB法や安定化池法では、処理水が排水基準に達しないという問題を抱えているものの、下水処理原価やCOD除去原価(年利を0.75%と仮定)は活性汚泥法や好気性ろ床法よりも優れていることが分かった。そこでUASB処理が排水基準を満たさないという問題に対し、新規な処理方法としてDHS(Down-flow Hanging Sponge)を改善策の1つとして提示した。
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