2006 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシアにおける内分泌攪乱化学物質による水質・生態・人体影響調査
Project/Area Number |
18404004
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
蔵崎 正明 北海道大学, 大学院地球環境科学研究院, 助手 (80161727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩熊 敏夫 北海道大学, 大学院地球環境科学研究院, 教授 (60124335)
田中 俊逸 北海道大学, 大学院地球環境科学研究院, 教授 (30142194)
齋籐 健 北海道大学, 医学部, 教授 (40153811)
細川 敏幸 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (00157025)
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Keywords | 環境ホルモン / 重金属 / 水銀汚染 / インドネシア / 河川水 / 食物連鎖 / ジャワ / カリマンタン |
Research Abstract |
本年度調査研究では、インドネシアの西ジャワおよび中央ジャワを中心に、河川流域を対象として、内分泌撹乱化学物質を含む環境汚染の実態の調査、汚染化学物質の住民等への健康影響を把握することを目的とした。工業化が遅れている地域として中央カリマンタンを選択し、また先進国の開発の進んだ地域を東京エリアの河川に設定し、平成18年6月と9月の2回に分けて西ジャワで4河川10ポイント、中央カリマンタンで2河川6ポイントの河川水のサンプリングを行なった。また平成18年10月に東京の神田川、鶴見川などで河川水のサンプリングを行なった。これらの河川水中のCOD、pH、電気伝導度、りん濃度、窒素濃度等を測定し、さらに大腸菌検査を行なった。その結果、インドネシアジャワ地域河川は非常な高いCOD値を示し、大腸菌も汚染を窺わせる数が検出された。一方東京エリア河川水ではリンおよび窒素等が高い値を示し、化学物質汚染が進んでいることを予想させた。カリマンタン地域の河川では比較的これらの値は低値を示した。また、内分泌撹乱化学物質および重金属を含む環境汚染化学物質の分析を行なったところ、ジャワ地方ではマグネシウム、アルミニウムが高値を示し、日本の河川では亜鉛濃度が高かった。ノニルフェノールはカリマンタンを含む全てのエリアで検出され、いくつかのポイントでは生態系に影響がある濃度が検出された。これらの知見を基に次年度は先進国の汚染されていない地域として北海道の河川を選び(いくつかはすでにサンプル採取済み)インドネシアの河川との比較を進めて行く。さらに水銀などの重金属および有害化学物質の分析を採取済みのサンプルで進め、併せて有害汚染物質の生物及び人体への移行過程の解明として水界生態系の食物網を構成する藻類、動物プランクトン、底生動物、魚類などの種組成および食性解析等に努める予定である。
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Research Products
(4 results)