2007 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシアにおける内分泌撹乱化学物質による水質・生態・人体影響調査
Project/Area Number |
18404004
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
蔵崎 正明 Hokkaido University, 大学院・地球環境科学研究院, 助教 (80161727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩熊 敏夫 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (60124335)
田中 俊逸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (30142194)
齋藤 健 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (40153811)
細川 敏幸 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (00157025)
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Keywords | 環境ホルモン / 重金属 / 水銀汚染 / インドネシア / 河川水 / 食物連鎖 / ジャワ / カリマンタン |
Research Abstract |
本年度調査研究では、前年度生物学的汚染および水銀の汚染の確認されたインドネシアの西ジャワを中心に、6月と9月の2度にわたり、内分泌撹乱化学物質を含む環境汚染の実態の調査、汚染化学物質の住民等への健康影響を把握することを目的とした調査を行った。特に今年度は汚染の流入と拡散を明らかにすることに焦点を絞り同一河川の上流から下流にわたり河川水およびその底質の詳細な検討を進めることを主目的とした。調査対象河川は生活排水の汚染が顕著なチリブン川および水銀の汚染が観察されるチカニキ川を選択し最上流から河口まで6〜8地点のサンプイングを行った。さらに水銀汚染の顕著な地域の米および水田の土壌のサンプリングも併せて行った。また対象として北海道の豊平川を選択し、同様に上流から下流の8地点の河川水のサンプリングを行なった。これらの河川水中のCOD、pH、電気伝導度、りん濃度、窒素濃度等を現地等で測定し、さらに大腸菌検査を行なった。また河川水および底質の重金属濃度および水銀濃度をICPマススペクトルおよび水銀分析計を用いて測定した。その結果、チリブン川では中間都市ボゴール辺りから人家の密集度に伴い非常な高いCOD値を示し、大腸菌も汚染を窺わせる数が検出された。また、重金属としてはマグネシウム、アルミニウムが高値を示した。またチカニキ川においては水銀が河川水中では基準値を超える値は検出されなかったが、底質では一部基準値を超え、コメの中の水銀値も日本の水俣病地域の現状の値に比べ高い値が検出された。次年度は生物(魚類等)の水銀汚染を調べ併せて有害汚染物質の生物及び人体への移行過程の解明として水界生態系の食物網を構成する藻類、動物プランクトン、底生動物、魚類などの種組成および食性解析等に努める予定である。
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Research Products
(8 results)