2008 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシアにおける内分泌撹乱化学物質による水質・生態・人体影響調査
Project/Area Number |
18404004
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藏崎 正明 Hokkaido University, 大学院・地球環境科学研究院, 助教 (80161727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩熊 敏夫 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (60124335)
田中 俊逸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (30142194)
斎藤 健 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 教授 (40153811)
細川 敏幸 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (00157025)
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Keywords | 環境ホルモン / 重金属耐性菌 / 汚染バイオマーカー / メタロチオネイン / 河川水 / ジャワ島 / インドネシア / 水銀汚染 |
Research Abstract |
本年度調査研究では、前年度生物学的汚染および水銀の汚染の確認されたインドネシアの西ジャワおよび中央ジャワのジョグジャカルタを中心に、8月に内分泌撹乱化学物質を含む環境汚染の実態の調査、汚染化学物質の住民等への健康影響を把握することを目的とした調査を行った。特に今年度は重金属汚染の指標に現地に棲息する魚類を用いることが可能か否か、また水銀汚染の広がりを確認するために米以外の農産物にも汚染が広がっているか否かの調査を主に行った。調査対象河川は生活排水の汚染が顕著なチリブン川および水銀の汚染が観察されるチカニキ川および汚染の顕著なラワカラン湖を選択しサンプリングを行った。さらに重金属汚染の顕著な地域に重金属耐性菌が存在するか否かの調査を併せて行うため土壌のサンプリングと菌の生育実験も行った。現地ではこれらのサンプル水中のCOD、pH、電気伝導度、りん濃度、窒素濃度等を現地等で測定した。その結果、米以外の農産物への水銀汚染の広がりは確認されなかった。また現地名サプサプ(魚)の肝臓中の重金属結合タンパク質メタロチオネインの誘導量と汚染の程度の間に良好な相関関係が見出され、汚染のバイマーカーとして有効なものになることが期待された。また汚染土壌からの菌の生育および菌種の同定検査を行なったところ、重金属耐性菌2種を見出し、PCR法によりAlcaligenes sp. およびEnterobacter sp. と同定された。こられの菌の重金属取り込み実験の結果、有用な金属除去システムの構築が可能であることが示された。以上の成果に加え、平成18年度および19年度の成果を併せて現在報告書を作成執筆中である。
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Research Products
(3 results)