2008 Fiscal Year Annual Research Report
米国で実用されている大形テンタゲートの動的不安定に関する実地調査と安全対策の提案
Project/Area Number |
18404007
|
Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
石井 徳章 Osaka Electro-Communication University, 工学部, 教授 (40098083)
|
Keywords | 機械力学 / 流体関連振動 / 自励振動 / 連成振動 / 複合振動 / ゲート / テンタゲート / ラジアルゲート |
Research Abstract |
1.米国大形テンタゲートの振動実地調査結果に関するワークショップの開催 米国Pacific Gas & Electronicsが管理するCalifornia地域のPoe Damに設置されている総質量77トンの大形テンタゲートの振動実地調査結果に関するワークショップをCalifornia Department of Water ResourcesのSacramento Officeで2008年7月18日に開催した。Dam Gate OwnerのMohammad Aslam、US Army Corps of EngineersのSteve Slinkard、California Department of Water ResourcesのMark Schultz、Bucknel大学Charles Knisely教授ら共同研究者らを中心とする多数の出席者があった。実地調査の詳細については石井徳章が発表し、安全性の判定については共同研究者の足利工業大学・阿南景子講師が発表した。ワークショップでは、巨大なゲートを鋼棒切断によって危険の伴わない程度で弱く加振したときの減衰振動を計測し、それにより固有振動数と減衰比、振動モードなどの固有振動特性を正確に特定し、石井と阿南らが提案する「流体関連振動理論解析法」によってPoe Dam大形テンタゲートがいかなる使用条件下においても動的に安定であると判定できると報告した。 2.日本と米国で発生したテンタゲート崩壊事故の類似性に関する国際学会発表 1967年に日本の36トン和知ゲートが崩壊し、その28年後に米国の87トンフォルソンゲートが崩壊している。日本のゲートの当時の設計資料を入手し、FEM解析手法と流体関連振動理論解析法を活用して詳細な解析・検討を行った結果、日本のゲートも米国のゲートと全く同様な非常に危険なフラッター振動を引き起こして崩壊したことを解明し、それを2008年7月1日に開催されたPragueでの国際会議FIV2008で発表した。 3.研究実績報告書の作成 3年間の研究実績をまとめた報告書を作成した。米国でのThermalito Dam GateとPoe Dam Gateに関する実地調査結果と動的安全性の評価結果をまとめ、動的安全設計の指針を示している。さらに、日本と米国での大形ゲート崩壊の類似性について示し、今後、大形テンタゲートの確実な動的安全性の確保が是非望まれると結論付けている。
|
Research Products
(2 results)