2006 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯モンスーン域の洪水氾濫による感染症ハザードマップの作成
Project/Area Number |
18404008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
風間 聡 東北大学, 大学院環境科学研究科, 助教授 (50272018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤本 正樹 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (90016519)
大村 達夫 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (30111248)
渡部 徹 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (10302192)
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Keywords | メコン河 / 水系感染症 / 大腸菌群 / 洪水氾濫 / ダイナミックウェイブモデル / 病原性細菌 |
Research Abstract |
水系感染症の実態を知るために,研究対象領域内の村落数箇所において,洪水期と乾季における感染者の実態調査をインタビューによって行った.調査項目は従来の病名を収集するものではなく,高熱,頭痛,腹痛等の症状に関するものとし,国立感染症研究所がラオスで行った感染症質問表を参考にし,カンボジア保健省の協力を得て行った.水系感染症の原因となる病原性細菌を直接計測するのは現地では困難であるため,病原性細菌と相関が高いとされる大腸菌数と大腸菌群数を計測した.大腸菌数はサンプル水を検査キット(検査液入り試験管)に加滴することで計測することができる.これを対象領域内数箇所のインタビューを行った村落周辺の河川水,氾濫水,ため池,沼地において,雨季と乾季について行った.広域大腸菌群の調査はパック試験(検査紙試験)によって観測した.以上の観測では,地形,村落の職業形態,水源,インフラ(電気や道路)等の数値地図情報の取得,作成を行った. 水文モデルに加えて,病原性細菌の移流拡散モデルの開発を行った.すでに開発済の洪水氾濫モデルに病原細菌の移流拡散モデルの付加を行った.また,それぞれの物理モデルを表現するために,必要なデータを上記に記したように作成した.洪水氾濫モデルは,対象領域内のメコン河本流とトンレサップ川(サップ川)とバサック川の4点の水位データを境界条件にダイナミックウェイブモデルによって表現した.河道の水を氾濫原にコルマタージュ(堤防掘削地点)を通して越流公式によって流す.氾濫域は2次元不等流モデルによって流れを表現する.このシミュレーションは,人工衛星画像との比較から良好な結果を得た.病原菌の輸送を表現するために,細菌の(a)点源発生モデル,(b)細菌致死モデルを開発し,上記の洪水氾濫モデルに付加した.
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Research Products
(1 results)