2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒ素汚染地域の土壌からのメチルヒ素エミッション測定
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18404011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福士 謙介 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 准教授 (30282114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 光晴 金沢工業大学, 環境・建築学部, 教授 (00301135)
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Keywords | ヒ素 / 土壌 / バングラデシュ / メチルヒ素 / メタン菌 / 土壌浄化 |
Research Abstract |
本研究の目的はタイ、バングラデシュ、ベトナム等(研究対象地は研究の過程で最終的に選定する)のヒ素汚染地域から大気中に放出されるヒ素の量と速度を測定し、さらに、大気中の動きを予測し、そのフェートを明らかにすることである。また、それらの基礎データを元に、対象地域の地理的特性とメチルヒ素蒸散量を関連づけ、自然ヒ素エミッション量・速度をリモートセンシングデータから算出するためのモデルの提案も行う。このモデルを用い、本提案研究で対象としなかった地域のヒ素汚染量・速度の算出を可能とする 平成18年度の成果をふまえ、本年度は気化ヒ素捕集装置の開発・設置・分析(第3フェーズ)を中心に行う。このフェーズではヒ素の捕集を現地で行うため、期待収集装置と吸着カラムを組み合わせた気化ヒ素捕獲装置開発と設置を行う。吸着カラムは約3ヶ月毎に交換され、使用済みの物は現地より日本へ分析のため輸送される。吸収カラムは活性炭が充填されており気化ヒ素を吸着する。なお、太陽電池の電力をペルチェ素子に通電することによりこのカラムは冷却される。これは吸着した気化ヒ素の形態をできるだけ保存し、カラムからの気化ヒ素の再脱離を防止するためである。吸着したヒ素は実験室で溶出され、ヒ素の濃度分析にかけられる。このフェーズは平成18年度より最終年度まで継続して行われる。 上記のように頻繁にヒ素汚染地域(研究の遂行の効率上バングラデシュを対象にしている)への渡航をある程度必要としているが、先年度勃発したバングラデシュ内の政情不安定さから同地域への海外渡航に関して外務省から「渡航是非検討」の警告が出ている。現地研究者達と連絡を密に取り、調査時期を十分検討し、現地においては安全性に特に注意して調査を行いたい。
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