2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18405004
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
石川 隆二 Hirosaki University, 農学生命科学部, 准教授 (90202978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 雅志 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (40134043)
佐藤 洋一郎 弘前大学, 総合地球環境学研究所, 教授 (20145113)
中村 郁郎 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (50207867)
福田 善通 弘前大学, 国際農林水産業研究センター, プロジェクトリーダー (40399374)
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Keywords | Oryza / 野生イネ / ルフィポゴン / メリディオナリス |
Research Abstract |
ベトナム・カンボジアは熱帯島嶼地帯と大陸の遺伝子多様性を比較するために,フィールド調査を行った.ベトナムではクーロンデルタ稲研究所との協力関係を構築するためにMOAを締結し,遺伝子資源の調査を共同で行うことになった.ベトナムーカンボジア国境調査を含めて,カンボジア国内においても昨年に続いて異なる時期における調査を行った.これらはDNAマーカー調査を行って,多様性程度の比較を行った.在来種との調査も行うために,天水田で新たに得られた浮きイネ,現地研究機関であるカンボジア農業及び灌漑研究所(CARDI)が保存している在来水稲を調査し,これらの性質がガンジス川流域の浮きイネならびに早稲稲であるアウスと類似していることが見出された.特徴は細胞質と核の構成がインド型・日本型品種群の雑種起源であることを示した.これらはインド型栽培種が日本型栽培稲とインド型に類似する未発見の野生稲との交雑により生じた地域がカンボジアを含めた大陸部にあることを示唆する.これらの野生種の分布が大陸で検出されておらず,インドネシアの熱帯島嶼地帯における野生種,ならびにオーストラリアの野生種を含めて見出されることを期待してそれら地帯での調査を継続した. オーストラリア・ノザンテリトリー(ダーウィン大学,Dr. Penny Wrum)では,メリディオナリスの生態調査を行った.インドネシア・スラベシ(ハッサヌディン大学)との協力関係を構築するためにMOAを8月に締結し,今後の調査継続を行うことにした.これらの遺伝資源については現地遺伝資源としての性格が強いため,利用方法やデータの所属も含めて最終年度にさらに検討することになっている.現地での野生種での遺伝資源を再評価し,インド型栽培種の起源を明らかにすることいなれば,栽培過程を明らかにするのみならず.今後の育種においても栽培種に近い有用遺伝子源を含む集団として解析・利用することが期待された.
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