2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18405004
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
石川 隆二 Hirosaki University, 農学生命科学部, 教授 (90202978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 雅志 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (40134043)
佐藤 洋一郎 総合地球環境学研究所, 研究部, 教授 (20145113)
中村 郁郎 千葉大学, 大学院・園芸農学研究科, 准教授 (50207867)
福田 善通 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 生物資源領域, プロジェクトリーダー (40399374)
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Keywords | 野生イネ / 葉緑体DNA / 熱帯島嶼 / フィリピン / セレベス / オセアニア / 遺伝資源消失 / カンボジア |
Research Abstract |
ベトナム, カンボジア, タイ : この地域に, は熱帯島嶼に分布している野生イネとの多様性比較のために来訪した. 南ベトナムではCCゲノムのofficinalisならびにrufipogonがみられた. 特に, 幅の広い葉が特徴であった. 多年生rufipogonの生存している地域が多く認められた. 隣国のカンボジアの細い葉の同種とは異なる形態的特徴を示した. この種はタイ・バンコクにみられる3倍体とは異なり, 2倍体での変異であらた. カンボジア全域における調査を行って, 在来種では浮きイネと野生イネ, rufipogon種が共生している西バライ貯水池, アンコール・トムにおけるridleyi種の大集団が特徴である. ラオス隣接地域, 特に国境の中立ゾーンには, 長葉毛や矮性のofficinalis, granulataが見出された. 北東部における滝の近傍にもgranulataがみられた. 同地域は標高が高く, 陸稲栽培と水稲栽培が平行して行われていた. トンレサップ周辺にはrufipogonが多く見られたが乾季にはほとんど識別できなかった. 種子更新している一年生, もしくは根茎が生存するようなrhizomatisと類似する性質を示すことが推測される。このような性質は明瞭な乾季に対応する耐乾燥性に役立つ形質を見出すことにつながるであろう. 海岸沿いには野生イネの分布が少なく, ほとんどみられなかった. フィリピンではminuta種の生息環境が急速に悪化しており, 水田脇の水路に生息する集団が水路補修で消失する事例が見受けられた. 一時的に種子繁殖により大集団を形成する場合もあったが, これも水路補修などの人為的撹乱による一時的な現象の可能性がある. Palawan島中部meyeriana種は生存域の撹乱が激しく集団消失が危惧された. オセアニアの野生種についても採取がすすみつつあり, 東南アジアのrufipogonと比較することで栽培種を生み出した野生種である同種の高い遺伝的多様性が明らかになろう.
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