2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本と北米大陸における第3紀起源ユリ科(広義)植物の比較生活史研究
Project/Area Number |
18405010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大原 雅 北海道大学, 大学院地球環境科学研究院, 教授 (90194274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 一彦 大阪学院大学, 経済学部, 教授 (60121753)
工藤 岳 北海道大学, 大学院地球環境科学研究院, 助教授 (30221930)
工藤 洋 神戸大学, 理学部, 助教授 (10291569)
北村 系子 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (00343814)
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Keywords | 生活史 / 第3紀要素 / ユリ科植物 / 隔離分布 / 種分化 |
Research Abstract |
初年度の平成18年度は、北米西部と北米東部に赴き、野外生態調査ならびに研究打合せを行った。北米西部(7月下旬)では、コロラド州ロッキー山脈の標高3000mに生育する高山性のカタクリ(Erythronium grandiflorum)を対象に、種子結実に関する調査を行った。その結果、個体の種子結実率が消雪時期の変動と連動し集団間・集団内の変異することが明らかになった。北米東部(9月下旬)では、海外共同研究者であるWhigham博士(Smithonian Environmental Research Center)とUtech博士(Hunt Botanical Institute)とともに、アパラチアン山脈ならびにコースタルプレインに自生するTrillium grandiflorum, T.erectum, Uvularia perfoliata, Convallaria majusculaの調査地の設定と、次年度以降の調査・研究の打合せを行った。 また、第3紀起源のユリ科植物の比較対象として日本国内において、オオバナノエンレイソウ(Trillium camschatcense)の東北地方集団および、スズラン(Convallaria keiskei)の生活史特性に関する調査を行った。その結果、東北地方のオオバナノエンレイソウは自家和合性を持ち、酵素多型を用いた遺伝解析の結果、集団の遺伝的多様性が低いことが明らかになった。また、種子繁殖とクローン成長を行うクローナル植物スズランに関しては、結果率が同一ジェネットのラメットが近いと低く、その距離がより広がるに伴い増加する傾向が認められた。
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Research Products
(1 results)