2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本と北米大陸における第3紀起源ユリ科(広義)植物の比較生活史研究
Project/Area Number |
18405010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大原 雅 Hokkaido University, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (90194274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 一彦 大阪学院大学, 経済学部, 教授 (60121753)
工藤 岳 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 准教授 (30221930)
工藤 洋 神戸大学, 理学部, 准教授 (10291569)
北村 系子 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (00343814)
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Keywords | 生活史 / 第3紀要素 / ユリ科植物 / 隔離分布 / 種分化 |
Research Abstract |
本プロジェクトの2年目にあたる平成19年度は、6月に北米東部に赴き、海外共同研究者であるWhigham博士(Smithonian Environmental Research Center)とUtech博士(Hunt Botanical Institute)とともに、主として北米に自生するスズラン(Convallaria montana)に関する調査を行った。スズラン属には、ヨーロッパ原産で園芸品種として広く栽培されているドイツスズラン(C. majalis)と日本を含む東アジアに自生するC. keiskeiの3種が存在する。 平成19年度の北米東部におけるC. montanaに関する野外調査では、ヴァージニア州の2集団(Douthat State ParkとBlue Ridge Parkway)において、それぞれ10m×10mの調査区を2箇所設置し、集団サイズ,成長段階を反映したラメットサイズ,地下茎の連結について調査を行い、各遺伝分析用の葉の採取を行った。採集されたサンプルは日本に持ち帰り、葉緑体DNAマーカー(Shaw et al. 2007)を用いて、北海道十勝地方から採集した(C. keiskei)と栽培されているドイツスズランの3種を対象に塩基配列の比較による系統関係の解析を行った。その結果、この3種は、明確な3つの異なる系統に分類されることが明かとなった。このほか、Convallaria keiskeiならびにC. montanaの集団のクローン構造と遺伝的多様性を調べるためにmicrosatelliteマーカーの開発ならびにそれを用いた多型分析も行った。
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