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2006 Fiscal Year Annual Research Report

海水湖は種形成の揺籃となるか?パラオ諸島における海洋生物の進化プロセス

Research Project

Project/Area Number 18405015
Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

玉手 英利  山形大学, 理学部, 教授 (90163675)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 原 慶明  山形大学, 理学部, 教授 (60111358)
半澤 直人  山形大学, 理学部, 助教授 (40292411)
RICHARD W.J.  山形大学, 理学部, 助教授 (90260455)
岩田 尚能  山形大学, 理学部, 講師 (70302289)
鈴木 英勝  石巻専修大学, 理工学部, 助手 (80306068)
Keywords生物多様性 / カイアシ類 / 種分化 / パラオ共和国 / 海水湖 / 進化 / 海洋生物 / 動物プランクトン
Research Abstract

熱帯域の海水湖が、海洋生物の異所的種分化を促進する「種形成の揺籃」となる可能性を検証するために、パラオ共和国において、平成18年11月13日から19日まで海洋生物の種多様性に関する現地調査を行った。初年度として、まず基礎的資料となる海水湖における動物プランクトン等の種組成を調査した。生物採集については、あらかじめパラオ共和国州政府の許可を得て実施した。海水湖12地点と、海水湖がある島の外海(礁湖とよぶ)6地点においてプランクトンネット、漁網、採水器を用いて生物試料と水質試料を採取し、生物標本はアルコール固定をしたうえで、研究室に持ち帰った。採集した動物プランクトンを目ごとに分類したところ、カイアシ類については海水湖と礁湖では、いずれにおいても、カラヌス目とオイトナ目が主要な構成種であることが明らかになった。オイトナ目については熱帯域の内湾性の種が観察され、未記載種等はみられなかった。しかし、種構成は採集地点によって大きく異なっていた。海水湖では種構成に関して二つのタイプがあり、閉鎖型の海水湖ではOithona dissimilisが優占する(タイプ1)一方、外海との連絡がある海水湖ではカラヌス目とオイトナ目の数種が観察された(タイプ2)。礁湖の種構成はタイプ2と類似していることから、海水湖では外海との隔離の程度が、種構成に影響を与えているものと考えられる。さらに底質が泥質で汽水性の海水湖一カ所では、キクロプス目が優占するタイプ3の種構成がみられた。以上から、小型甲殻類プランクトンに関しては、海水湖の隔離の程度と、底質の状態、水質が、種構成に影響を与えている可能性が示唆された。タイプ1の種構成をもつ海水湖はいずれも外海からの隔離の程度が高いことから、海水湖間での種構成の違いをさらに調査している。以上の研究成果は、日本動物学会第77回大会(2006年9月)の一般講演で発表した。

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Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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