2006 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯におけるデンプン蓄積ヤシ類の生産力評価とデンプン特性の解明
Project/Area Number |
18405019
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山本 由徳 高知大学, 農学部, 教授 (00093956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 徹志 高知大学, 農学部, 教授 (10145112)
宮崎 彰 高知大学, 農学部, 助教授 (00304668)
新田 洋司 茨城大学, 農学部, 助教授 (60228252)
濱西 知子 共立女子大学, 家政学部, 講師 (90348607)
平尾 和子 愛国学園短期大学, 教授 (50156642)
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Keywords | サゴヤシ / 変種 / デンプン / 生長形質 / デンプンの理化学的特性 / 国際研究者交流 / インドネシア / ジャヤプラ |
Research Abstract |
インドネシア、パプア州ジャヤプラ近郊のスンタニ湖畔で2006年9月に調査を行った。当地のサゴヤシ主要変種の中で、"栽培種"8種(Yepha、Para、Ruruna、Rondo、Panne、Follo、Osukulu、Wanny)及び"野生種"2種(Manno Besar、Manno Kechil)を伐採調査し、生長形質と髄部のデンプン含有率を分析し、それらよりデンプン収量(乾燥デンプン)を試算した。また、髄部組織の電顕観察を行うとともに、デンプンの理化学的特性を調査した。 【調査結果】"栽培種"のRondoと"野生種"Manno Kecilは、他の変種に比べて早生種で、サッカー発生後10-15年で収穫適期に達したのに対して、他の変種では15-25年を要した。これら早生の変種は、樹幹長が3-5mと他種(8-16m)に比べて短く、樹幹重(250-700kg VS 1000-3500kg)も劣った。髄部のデンプン含有率は、"栽培種"では60-70%(平均67%)を示したのに対して、"野生種"では22-55%(平均43%)と低かった。"栽培種"のデンプン含有率は、Para(69.8%)とRondo(71.1%)で高い傾向を示した。"栽培種"のデンプン収量(1本当たり)の平均は472kgに対して、"野生種"は79kgに過ぎなかった。デンプン収量はParaで最も高く、Yepha、Osukulu、Ruruna、Panneも高い生産性を示した。デンプン含有率の高いParaやRondoでは、アミロプラストの長径が長く、単位面積当たりのアミロプラスト数が多い傾向を示し、デンプン含有率が低かったMannoでは、逆の傾向を示した。デンプンの理化学的特性に変種間差異が見られ、例えばParaでは軟らかく粘さのある物性を示したのに対して、Manno、Folloは硬く粘りのない物性を示した。また、Para、Mannoは老化しにくく、Folloは最も老化しやすいデンプンと推察された。
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