2007 Fiscal Year Annual Research Report
植物ウイルスとその宿主植物の起源的同一牲に関する調査研究
Project/Area Number |
18405022
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
大島 一里 Saga University, 農学部, 教授 (00176869)
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Keywords | ウイルス / 宿主植物 / 起源 / 病理学 / 生態学 |
Research Abstract |
申請者は、これまで一貫として植物ウイルス、中でも最も栽培植物に甚大な被害を及ぼすPotyvirusについてそのゲノムの一部或いは全ゲノム構造について、特に組換えを検出するバイオインフォマティクスを用いて、分子進化的ゲノムの性状について解析し考察してきた。本研究では、小アジアに位置するトルコ、中央アジアに位置するイラン或いは地中海地方に位置するギリシャのアブラナ科植物に発生するウイルスをターゲットとして調査する。ウイルスは新しい宿主に対する病原性を獲得後、宿主による圧力を受けながら、起源地から栽培植物と密接に関連し世界中に拡散したと考えられている。平成19年度においては、アブラナ科植物の主な起源地の候補地として考えられている中央アジア地方に位置するイラン・イスラム共和国を訪問し、どのような植物ウイルスがアブラナ科植物に発生しているのかを調査した。研究協力者のShirin Farzadfar博士(農業省イラン国立植物病原体病害研究所)と共にイラン国内のアブラナ科圃場(テヘラン市やエスファハン市郊外等)を巡回調査し、アブラナ科植物にモザイク症状等を呈し罹病植物を100株以上採集した。イラン国立植物病原体病害研究所のFarzadfar研究室に持ち帰り、どのようなウイルスが感染しているのか、カブモザイクウイルス(TuMV)、キュウリモザイクウイルス(CMV)、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の検出キットを用いて、酵素結合抗体法により検定した。その結果、TuMVおよびCaMVが感染している罹病植物が多数見つかり、イラン国内で流行していることが明らかとなった。訪問前に採集していただいたTuMVとCaMVについては一部ゲノム構造を解明し、イランに見られるウイルスと既に報告した海外のウイルスの分子系統解析から各国のウイルスの関係について予備的であるが考察した。
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[Journal Article]2007
Author(s)
Farzadfar, et. al.
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Journal Title
Plant Pathology Journal 6
Pages: 291-298
Peer Reviewed
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