2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本への農産物輸出による熱帯アジアの耕地土壌劣化を減速するための実証的研究
Project/Area Number |
18405026
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
間藤 徹 京都大学, 農学研究科, 助教授 (50157393)
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Keywords | 環境保全型農業 / 食料輸入 / 化学肥料 / 富栄養化 / 水資源 |
Research Abstract |
日本向けアスパラガス栽培に特化したタイ国ナコンパトム県ノングールアム村の土壌環境について調査を継続している。 特に地下水の硝酸態窒素濃度の追跡は本科研費の援助を受けて毎月一回のサンプリング6年間継続している。硝酸態窒素は施肥に起因すると考えられるが、村の北側では減少傾向に、村の南側では増加傾向にあった。アスパラガス栽培が導入された約10年前、生産は主に北側で行われていたが最近になって南側に拡大してきた。特に生産歴の長い農家に減肥の意識が高まりつつあることを反映しているのかもしれない。 しばらく測定を継続する。 環境中の硝酸態窒素を低減するため、減肥栽培を進めた。しかし施肥量を減らすとアスパラガス収量が低下するため、生産者の抵抗は強い。しかし昨今の原油価格の高騰をうけて窒素化学肥料の価格も高騰している。そこで肥料代を節約できる減肥と鶏糞、豚糞などのリサイクル肥料に対する関心が高まってきた。今後、これらリサイクル肥料のアスパラガスに対する肥料効果を評価するシステムを作る必要がある。 残留農薬も調査のための予備的なサンプリングを進めた。村内の農業資材店で販売されていた農薬のうち、残留規制値の定められた殺虫剤は村内のため池、土壌中からはほとんど検出されなかった。半減期が熱帯気候下では短いことも考えられた。しかし、それ以外の農薬もかなり販売されていたので、来年はこれらの農薬について分析を進める予定である。
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