2006 Fiscal Year Annual Research Report
中国の自然マングローブ保護区における主要樹種の遺伝的多様性と繁殖実態の調査
Project/Area Number |
18405028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
練 春蘭 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (40376695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宝月 岱造 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (10107170)
後藤 晋 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 講師 (60323474)
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Keywords | マングローブ / 生物保全 / 遺伝的多様性 / マイクロサテライトマーカー / 繁殖特性 / 林学 / 分子生態学 |
Research Abstract |
本年度は本研究課題の初年度であり、マーカーの作製、試験地の設定および試料採集を行った。 1.マイクロサテライトマーカーの作製 (1)核SSRマーカーの作製:ヤエヤマヒルギ、オヒルギ、メヒルギ、Acanthus ilicifolius、ヒルギモドキ、ヒルギダマシとツノヤブコウジの、計7種の核SSRマーカーを作製した。 (2)葉緑体SSRマーカーの作製:ヤエヤマヒルギ、オヒルギとメヒルギの、計3種の葉緑体のSSRマーカーを作製した。 2.中国南沿岸保護区域のマングローブ樹木集団の遺伝地理構造解析 中国南沿岸域の4省、福建省、広東省、広西省および海南省を対象として、計20ヶ所から7種のマングローブ樹木の葉を採集した。ヤエヤマヒルギは15ヶ所、528個体;オヒルギは9ヶ所、277個体;メヒルギは10ヶ所、331個体;Acanthus ilicifoliusは6ヶ所、229個体;ヒルギモドキは6ヶ所、216個体;ヒルギグマシは10ヶ所、369個体;ツノヤブコウジは14ヶ所、509個体からサンプリングした。作製した核SSRマーカーを用いて解析した結果、7種のマングローブ樹種のうち、遺伝的多様性が一番高いのはメヒルギで、一番低いのはヤエヤマヒルギであった。いずれの種でも、集団間の遺伝的分化の程度が大きく、遺伝的に近い集団が地理的にもクラスターを形成していた。 3.メヒルギの長期調査プロットの設置と繁殖特性の調査 広東省湛江市の高橋マングローブ保護区にメヒルギの長期調査プロット(100×60m)を設定した。調査区内のすべての成木個体(2068個体)の位置図を作製し、樹高と着果状況を調査した。実生を調査するため、調査区にさらに5個のプロットを設定し、計、189個体の実生の位置図を作製した。すべての成木と実生の葉を採集した。また、12個体の母樹を選び、各母樹から80個の種子を採取した。現在、採取したサンプルからDNAを抽出し、DNA多型解析を行っている。
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Research Products
(4 results)