2006 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシアが分子進化上の起源地と推測される東アジアのイノシシ属の遺伝子調査
Project/Area Number |
18405034
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
石黒 直隆 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (00109521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪島 康雄 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教授 (20355184)
松井 章 奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 上席研究員 (20157225)
本郷 一美 総合研究大学院大学, 葉山高等研究センター, 助教授 (20303919)
佐々木 基樹 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (50332482)
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Keywords | イノシシ / ミトコンドリアDNA / 分子進化 / インドネシア / 系統解析 / 家畜化 / 起源 |
Research Abstract |
本研究の目的は、東アジアのイノシシ属(野生イノシシと家畜ブタ)の起源は、インドネシアにあるとの仮説を証明するため、インドネシアに生息する野生イノシシからDNAを分離し、アジアからヨーロッパのイノシシと比較することにより、イノシシの分子進化を明らかにすることである。今年は、初年度であることから、9月と11月の2回にわたりインドネシアを訪問し、現地協力員との研究の打ち合わせ、およびDNAサンプルの採取をスマトラ島とジャワ島で行った。本年度の主な研究成果を下記する。 1.イノシシのDNAサンプル:スマトラ島から11頭とジャワ島から32頭イノシシを捕獲した。採取したサンプルは主に狩猟により得た野性イノシシであり、その肉片、血液、毛根からDNAを分離した。 2.インドネシアに生息するイノシシのDNA分析:各サンプルから採取したDNAよりPCR法にてミトコンドリアDNA(mtDNA)574bpを増幅し、塩基配列を決定した。 3.増幅遺伝子の系統解析:合計43サンプルからmtDNAを増幅し解析した結果、20グループに塩基配列が分かれた。20グループの配列は、大きくは572bpの一群と573bpの群に大別された。本研究で得られた20グループのmtDNAとこれまでに解析して構築したデータベースのイノシシおよびブタの配列と比較した処、インドネシアのイノシシは、アジアおよびヨーロッパのイノシシや家畜ブタより起源種に近い処に位置することが明らかとなった。 本年度に採取したイノシシのDNAサンプルはジャワ島とスマトラ島の南部で捕獲したイノシシであることから、来年度は、スマトラ島北部とフローレンス島でイノシシサンプルを採取する予定である。
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