2007 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯アジア(インドネシア)における集水域生態系の持続的利用と農業生産
Project/Area Number |
18405043
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
増永 二之 Shimane University, 増永,二之, 生物資源科学部 (10325045)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 育郎 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (60227022)
松本 真悟 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (00346371)
宗村 広昭 島根大学, 生物資源科学部, 助教 (90403443)
|
Keywords | インドネシア / 持続的農業 / 緑の革命 / 水田土壌 / 河川水汚染 / 水質浄化 / ケイ酸 |
Research Abstract |
西ジャワ州のCitarum集水域と中央ジャワ州のKaligarang集水域において、山岳地域の水源から低地水田地帯にかけて、各地形面、土地利用におうじて土壌採取を行い、さらに河川および灌漑水路から水試料を月一度の頻度での継続的なサンプリング・分析を行った。両集水域とも表層土壌のpH、交換性陽イオン(Ca,Mg,K,Na)含有量は高地から低地にかけて地形面に沿って、高くなる傾向にあり、高地での土壌侵食と低地へ移動堆積の影響が推察された。一方、全炭素、全窒素、可給態リン酸は土地利用型に大きく影響されていた。プランテーション、休閑地、水田の順で全炭素、全窒素含有量は高く、逆に野菜畑では低かった。可給態リン酸は、施肥量が反映され野菜畑で突出して高かった。水田でもリン酸の施肥は行われているが、野菜畑ほどの蓄積は認められなかった。二つの集水域の土壌と河川・灌漑水中のケイ酸に注目しデータの解析した結果、集水域に3つのダムがあるCitarum集水域では、河川水の栄養塩濃度の増加(上流での人間活動が主要因と考えられる)によりダムでケイ藻が繁茂し、水中のケイ酸濃度が減少し、ダムより下流域では河川・灌漑水中のケイ酸濃度が、20-30年前のデータと比較して減少していることが明らかとなった。ケイ酸は稲には重要な元素であり、低地水田の稲作の安定性に影響を及ぼす可能性が考えられる。河川など環境水中の窒素・リンの除去のための方法として、土壌を用いた水質浄化方法の検討を室内実験により行い、装置の構造と浄化能の関係について評価を行った。
|
Research Products
(4 results)