2008 Fiscal Year Annual Research Report
北太平洋熱帯サンゴ礁海域に棲息する無脊椎動物の生理・生態と化学成分の調査研究
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18406002
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
塚本 佐知子 Chiba University, 大学院・理学研究科, 教授 (40192190)
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Keywords | インドネシア / 北スラウエシ州 / 海洋無脊椎生物 / 海綿 / ホヤ / 細胞毒性 / スクリーニング / 真菌 |
Research Abstract |
インドネシアの北スラウエシ州において、2008年9月14日〜23日の日程で海洋無脊椎生物の採集と生物からの真菌の単離を行った。日本側のメンバーは、塚本佐知子(千葉大学)、浪越通夫(東北薬科大学)に加えて、鵜飼和代(東北薬科大学)、小林久芳(東京大学)、インドネシア側から、サムラトランギ大学のRemy E. P. Hangindaan、Hengky Rotinsuluが調査研究に加わった。そして、海綿やホヤなどの無脊椎動物を225種類採集した。また、別途、菌単離を目的として採集した155種類の生物から、合計122種類の菌を単離した。無脊椎動物は、採集後、直ちにEtOH漬けにし、順次、サムラトランギ大学においてEtOH抽出している。ある程度の数がまとまった段階で、日本に輸送する予定である。 無脊椎動物の抽出液、および、菌の培養液がそろいしだい、スクリーニングを行う予定である。一方、2006年9月に採集したLeucetta microrhaphisから、Ubc13-Uev1A結合阻害物質としてleucettamol Aを得た。この成果については、論文がBioorg. Med. Chen. Lett. に掲載された。また、この成果を2008年2月にアメリカで開催されたGordon Research Conference(Marine Natural Products)において発表したこときっかけとして、スクリプス研究所のMolinsli教授との共同研究により、leucettamol Aの絶対配置を決定することができた。その成果は、J. Nat. Prod. に掲載された。また、2006年12月にマンテハゲ島で採集した海綿Aaptos suberitoidesから、プロテアソームのキモトリプシン様作用を阻害する物質としてaaptamine関連化合物を単離した。その成果は、2009年3月に日本薬学会において発表した。
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