2006 Fiscal Year Annual Research Report
南カリフォルニアでの生体内高分子と共有結合する大気中ナフタレン類
Project/Area Number |
18406003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
熊谷 嘉人 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (00250100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野 茂 福岡大学, 薬学部, 助教授 (80140755)
角 大悟 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (30400683)
高野 裕久 独立行政法人国立環境研究所, 健康系領域長 (60281698)
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Keywords | 大気汚染 / ナフタレン / ディーゼル排出微粒子 / 共有結合 / ケミカルバイオロジー / 親電子性物質 / チオールケミストリー |
Research Abstract |
南カリフォルニア地区のロサンゼルスで発生するスモッグは、巨大都市間圏を通行する自動車の排気ガスが太平洋の湿った空気と結合して生じる汚れた灰色の霧のことである。この原因は、"Los Angeles basin"と呼ばれるように、周囲を山地で遮られて大気が吹き払われにくいという地形によるとされている。これまでの研究より、大気中ガス状成分にはナフタレン類が多量に存在することが示唆されている。我々は最近、ナフタレンの光酸化体として生成され、生体高分子と共有結合する1,2-ナフトキノンが存在することを明らかにした。そこで本年度では、南カリフォルニアでの大気中に存在し、生体内高分子と容易に共有結合する1,2-ナフトキノンの実態を明らかにすることを目的で、大気中ナフタレン類の採取、ナフタレン類の同定および1,2-ナフトキノンを認識する抗体の特異性について検討した。 大気中微小粒子(PM2.5)を捕獲するための石英ファイバーフィルターの下に大気中揮発性成分をトラップするXAD-4樹脂を装着した。ロサンゼルス地区でのナフタレン濃度は非常に高いので、毎分1リッターの割合で吸引して半日毎にサンプルを採取し、有機溶媒等で回収された大気中揮発性成分をGC-MS等で分析した。その結果、ナフタレンだけでなくメチル基やエチル基が結合した物質も存在していた。一方、1,2-ナフトキノンを認識する特異的抗体は、ナフタレンのような2環のベンゼン以外の大気中ガス状成分(たとえば、ベンゼン、フェナントレン、アントラセン、ピレン等)は全く認識しなかつた。また、ナフタレン骨骼でも1,4-ナフトキノンには反応しないことが明らかとなった。このことは、大気中ガス状成分中に存在する1,2-ナフトキノンのみを選択的に検出できる抗体であることを示唆している。
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Research Products
(6 results)