2007 Fiscal Year Annual Research Report
アジアにおけるヒト胆道がんの発生・進展に関する遺伝子がん生物学的・分子疫学的研究
Project/Area Number |
18406005
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
三輪 正直 Nagahama Institute of Bio-Science and Technology, バイオサイエンス学部, 教授 (20012750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 隆 産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, 総括研究員 (90357864)
正田 純一 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (90241827)
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Keywords | 胆道がん / タイ王国 / 感染症 / 肝吸虫 / 症例・対照研究 / 遺伝子多型 / アレーCGH / インド |
Research Abstract |
タイ王国国立がん研究所のPetcharin博士との共同で、タイ王国の東北部のウボンラチャタニ県において肝内胆管がん患者と性、年齢、居住地を同じくする対照者の血液を採取し胆道がん(肝内胆管がん)のリスクとDNAの多型との関連についての検討を行った。 症例と対照の93組のペアについて薬物代謝酵素遺伝子のGSTM1とGSTT1を中心とした解析を行った。ペアを維持した解析で、GSTM1の欠失型変異をもつ場合は、オッズ比1.12(95%信頼区間0.45-1.74)(p=0.73)であり、GSTT1の欠失型変異をもつ場合の肝内胆管がんのリスクは、オッズ比0.83(95%信頼区間0.66-2.22)(p=0.54)であった。この結果は、以前に我々がタイ王国東北部のナコンパノムで行った結果とほぼ同様であり、この多型のみによりリスクは説明できないことが確認された。更に、DNA修復酵素系、薬剤代謝酵素系などに関しても調べ、ナコンパノムのサンプルの結果と比較したい。 一方、Opisthorchis viverrini(OV)の寄生虫感染既往を示すと考えられる抗OV抗体価陽性が肝内胆管がんのリスクに与える影響は、オッズ比23.99(95%信頼区間3.24-177.4)と有意な上昇であった。これは、以前の我々のナコンパノムでの結果を確認するものである。この結果、ELISAによる抗体価は、OV感染の単なる既往を示すものかどうかの議論はあるにしても、タイ王国における肝内胆管がんのリスク評価として測定法が普及することが期待される。 なお、ハムスターを用いたOV感染関連胆道がんモデルに関して発がんメカニズムを中心体増幅の観点から検討している。インドの胆のうがんに関してのArray CGHによる解析に関しては、サンプルを集めるための準備を進めている。
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Research Products
(11 results)