2006 Fiscal Year Annual Research Report
ジアルジアの種内変異に関する研究:インドネシアの孤立地域での遺伝子型分布
Project/Area Number |
18406007
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
所 正治 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (30338024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井関 基弘 金沢大学, 医学系研究科, 客員教授 (20047179)
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Keywords | 腸管寄生原虫 / ジアルジア / 種内変異 / 分子疫学 / 遺伝子型 / インドネシア:パレスチナ / 人獣共通感染症 / 地理的分布 |
Research Abstract |
ジアルジアの種内変異の解析のための基礎となる分子疫学的解析によるデータ収集を目的として、主にインドネシアの小児およびパレスチナのジアルジア症患者から採取されたヒトのジアルジア検体と、国内外の動物由来のジアルジア検体から抽出されたゲノムDNAを材料として遺伝子型解析を実施した。 平成18年度は、インドネシアにおいて2度のフィールドワークを実施した。 第1回 平成18年11月7日〜16日 インドネシア西スマトラ州メンタワイ諸島シベル島調査。 第2回 平成19年1月4日〜11日 インドネシア東ヌサトゥンガラ州スンバ島調査。 成果は以下の通り。 1)シベル島調査では142検体の糞便サンプルを5歳以下の健常乳幼児から採取しGiardia intestinalis(3.7%)、他Ehtamoeba spp.(2.5%)等の原虫を検出した。ジアルジアの遺伝子型としてはAおよびBの亜型が同定されている。 2)スンバ島ではヒトへのジアルジア感染の確認を予備調査として実施。糞便サンプル155検体を5歳以下の乳幼児からを回収し、G.intestinalis(7.7%)、他Ehtamoeba spp.(7.7%)、Cyclospora cayetanensis(1.3%)等と、シベル島に比較して高い感染率をみた。また、市場では様々な動物が取引されており、人獣共通感染症における感染経路・ライフサイクルの解明に適したフィールドであることを確認した。 3)パレスチナの病院から提供された病原性株の8検体からは、遺伝子型としてAおよびBの亜型が検出されたが、系統樹解析の結果では今のところ明らかな病原性特異的遺伝子型は見出されていない。 4)以上の成果は、第47回日本熱帯医学会(平成18年11月、長崎)および第76回日本寄生虫学会(平成19年3月、大阪)にて発表された。
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Research Products
(5 results)