2008 Fiscal Year Annual Research Report
テニア症・嚢虫症感染源対策のための中間宿主家畜における分子疫学調査とリスク評価
Project/Area Number |
18406008
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
岡本 宗裕 Tottori University, 農学部, 准教授 (70177096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 芳晴 鳥取大学, 農学部, 教授 (50194410)
伊藤 亮 旭川医科大学, 医学部, 教授 (70054020)
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Keywords | 嚢虫症 / テニア症 / 中間宿主 / 家畜 / 分子疫学調査 / リスク評価 |
Research Abstract |
ヒトを終宿主とするテニア科条虫には、有鉤条虫、無鉤条虫、タイワンテニアの3種が知られている。テニア属の条虫は、中間宿主、終宿主とも哺乳類をその宿主としており、中間宿主は終宿主から排出された虫卵を、終宿主は中間宿主内の幼虫(嚢虫)を経口摂取することにより感染する。上述の3種はそれぞれ、ブタ、ウシ、ブタを中間宿主としている。しかしこれらの中間宿主となる家畜(ブタ・ウシ)での調査は全くなされていない。これは、発展途上国における家畜の疫学調査の困難さに由来する。そこで本研究では、テニア症・嚢虫症流行地において「家畜の疫学調査」を分子遺伝学的に実施し、流行地における家畜のリスク評価を実施する。また、血液あるいは組織から宿主のDNAを抽出し、宿主の遺伝的多様性も同時に調べる。これらの調査結果とこれまで得られているヒトの疫学データから、「どのような飼育形態のリスクが高いのか」、「どんな品種のリスクが高いのか」を検討し、家畜からヒトへ、ヒトから家畜への感染ルートを明らかにする。さらに非汚染地域で入手した未感染動物を汚染地域で飼育し、定期的に採血する(現地の研究協力者に依頼)ことにより、感染動態についての情報を入手し、最終的にテニア症・嚢虫症のコントロール法を検討することを目的としている。 平成20年度は、平成19年度に引きつづきタイ・カンチャナブリ州で疫学調査を実施し、ヒトにおける無鉤条虫とAsian Taeniaの寄生を確認した。また、同調査地に飼育されているブタの採血を行い、血清診断を実施したが、ブタの嚢虫症は確認できなかった。無鉤条虫の実験感染ウシ血清およびAsian Taenia実験艦腺ブタ血清を用い血清診断法の開発を試みた結果、精製抗原にて良好な結果が得られた。
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[Journal Article] Paragonimiasis in Cameroon : molecular identification, serodiagnosis and clinical manifestations.2009
Author(s)
Nkouawa A, Okamoto M, Mabou A. K., Edingae E, Yamasaki H, Sako Y, Nakao M, Nakaya K, Blair D, Agatsuma T, Enyong P, Shibahara T, Moyou-Somo R, Ito A.
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Journal Title
Transactions of the Royal Society of Tropical Medicine and Hygiene 103
Pages: 255-261
Peer Reviewed
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[Journal Article] Molecular and immunological diagnosis of taeniasis and cysticercosis in Asia and the Pacific.2008
Author(s)
Ito A, Sako Y, Nakao M, Nakaya K, Okamoto M, Wandra T, Dandun I N, Anantaphruti M T, Waikagul J, Li T, Qiu D.
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Journal Title
Southeast Asian Journal of Tropical Medicine and Public Health. 39supplel
Pages: 37-47
Peer Reviewed
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