2007 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカマラリア媒介蚊の吸血宿主選好性決定機構の解明
Project/Area Number |
18406010
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
都野 展子 Kanazawa University, 自然科学研究科, 准教授 (60295102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 正洋 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60024684)
川田 均 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (80363480)
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Keywords | Africa / Anpheles gambiae / malaria / human blood index / host preference / mosquito |
Research Abstract |
ハマダラカ採集とホストの分布調査をガーナ、タンザニア、ケニアで行った。 調査地ですべての吸血蚊を殺虫剤の屋内噴霧およびヒト囮法によって採集した。また、吸血がどこで起こっているかに人々の生活様式を採集地ごとに観察記録した。ガーナでは約2000個体のガンビエハマダラカ姉妹種を採集した。海岸地方では99%以上がメラスハマダラカというガンビエ姉妹種のうちこれまでに生態学的報告のほとんどない汽水性種であった。この種は局所的にしか分布しないものの分布している地域では高い密度で吸血飛来することを確認した。これらのサンプルは分子生物学的種同定を済ませ、投稿論文を準備中である。 ケニアでは全部で約6000個体の吸血蚊を採集した。ケニアの蚊の群集相をガーナとはまったく異なり、ハマダラカは寧ろ少数であり他の属の蚊のほうが多い。このような報告はこれまでされておらず、今回明らかにされた知見と考えられる。採集した約2000個体のハマダラカ群集は従来アラビエンシスやガンビエハマダラカが優占していた土地であったが今年はフネスタスハマダラカの占める割合が高く、全体の採集されるハマダラカの個体数は減少しているようである。この原因は雨が少なく、ビクトリア湖が干上がってきてフネスタスハマダラカの生息適地が増えたと考えられるが、これを説明する環境変量を測定できていないため、来年度の課題としたい。 発表した成果としてはベトナムでの日本脳炎媒介蚊が潜在的ホストとなる動物の空間分布に影響されているか否かを解析しコガタアカイエカなど飛翔能力の高い媒介蚊は牛の分布に強く影響を受けていることを報告した。この結果は現在解析中のガンビエハマダラカの生態とは対照的であることが予測され、蚊の生態的特性によって、何が吸血ホストを決めるに強く作用するかが異なることが考えられた。
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