2008 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアにおける吸血性昆虫ブユの種分化およびフィラリア媒介能に関する研究
Project/Area Number |
18406011
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
高岡 宏行 Oita University, 医学部, 教授 (00094152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 靖 大分大学, 医学部, 助教 (00244161)
福田 昌子 大分大学, 総合科学研究支援センター, 助教 (00156788)
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Keywords | 感染症 / 昆虫 / 進化 / 寄生虫 / 生物多様性 / ブユ / マレーシア:フィリピン / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
1)マレーシアのサラワク州においてブユの調査を行い,3新種および1新記録種を得た.新種は記載を終え,印刷中である.フィリピンのパラワン島における調査では,これまで未知であったSimulium palawanenseの蛹およびS.binuanenseの雄成虫を得た. 2)島嶼におけるブユの種分化を検討するために,Wallacellum亜属の15種についてミトコンドリア16S rRNA遺伝子の塩基配列を決定し,系統解析を行った.その結果,2つのクラスター(各々8種と7種)に分けられた.蛹の呼吸管および雌の外部生殖器の形態との関連性を検討したところ2つのクラスターは原始的形質と派生形質のグループに対応していた.地理分布上では,派生的形質をもつ持つグループはフィリピンのルソン島,ミンダナオ島など大きな島に局在し,原始的形質を特つグループはフィリピンおよび周辺域へひろく分布することが分かった.Gomphostilbia亜属のbanauense種グループの12種のうち8種について同様な解析を行ったが,呼吸管の形態による3グループとの対応は認められなかった.
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Research Products
(15 results)