2008 Fiscal Year Annual Research Report
中国における再興感染症としての日本住血吸虫症流行の実態調査と効率的対策
Project/Area Number |
18406012
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
太田 伸生 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10143611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 貴 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (40369054)
二瓶 直子 国立感染症研究所, 客員研究員 (70425677)
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Keywords | 日本住血吸虫 / 再興感染症 / DNA診断 / Oncomelania / LAMP法 / PCR |
Research Abstract |
中国の流行地における日本住血吸虫症有病率が低下する中で、感染宿主の検出が益々困難になっている。Case detectionの効率化のためにヒト、家畜動物および中間宿主貝の感染を住血吸虫のDNA検出による方法の実用化を目指して研究を行った。特に流行現場で簡便に実施できるLAMP法の応用を検討した。中間宿主貝の監視においてはセルカリアの游出が指標としているが、これでは検出感度が極めて低いため、感染貝をすべて捕捉する方法としてLAMP法による遺伝子診断が有用であることを検証し、中国の流行地における実際の野外調査でも採集した貝からNa抽出によるDNAで感染貝を現地の施設を利用して短時間で検出できることを確認した。この方法を用いて、昨年より始まった保虫宿主である水牛の飼育中止政策実施前後の中間宿主貝の感染状況追跡にあたることを現地の研究協力者に提言した。一方、ヒト及び水牛糞便試料を用いたLAMP法によるDNA診断は依然として試料中の阻害因子の除去が完全ではなく、十分な感度が得られなかった。中間宿主貝は植生、土地利用などの条件により生息条件が変化するため、GPS情報に基づくGISの積極活用が有効であるが、この方法を山梨県内のOncomelania貝モニタリングに応用するシステムを確立したので、これを中国安徽省内の流行地に応用するための情報提供をおこなった。今後の中国国内の流行監視には中間宿主貝の移動が懸念されることから、地理的に隔絶された地点間の住血吸虫と中間宿主貝の寄生適応性を調査し、近接地点間でも感受性が大きく異なることを観察した。終宿主対策に必要な薬剤開発、病態発現機序と予防法の研究も進め、候補薬剤の同定と薬効機序、ワクチン標的となりうる抗酸化ストレス関連分子の同定と機能解析をおこなった。
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Research Products
(13 results)