2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18406014
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡本 敬の介 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70131183)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 伸一 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60182060)
中尾 浩史 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (20237217)
高橋 栄造 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70379733)
|
Keywords | 腸管感染症 / ミャンマー / 大腸菌 / コレラ / アエロモナス / 下痢症 / 抗生物質 / 病原因子 |
Research Abstract |
ミャンマー・ヤンゴン市内に設置されている、同国の国立研究所であるDepartment of Medical Research (Lower Myanmar)(DMR研究所)と共同研究を実施し、病原性大腸菌の汚染の検査をすすめた。下痢患者217名(5歳以下の子供)の下痢便から採取し保存していた大腸菌の下痢原性を調べた。その結果47名の患者から下痢原性大腸菌を分離した。内訳は凝集性大腸菌が30名から、病原性大腸菌が12名から、毒素原性大腸菌が5名から、それぞれ分離された。これらの菌の抗生物質感受性を検査した結果、ほとんどはペニシリン、ストレプトマイシン、テトラサイクリンに耐性であった。一方ノフロキサシンには47株中5株だけが耐性であり、本薬剤が治療に有効であることがわかった。このノロキサシンは治療の切り札的抗生物質であるといわれいるが、、すでに本薬剤の耐性菌がミャンマーで出現していることは注意すべき現象である。引き続き我々は、2007年1月から9月にかけて、ヤンゴンの市内のNorth Okkalapa病院で子供下痢症60名の下痢便から原因細菌の検出を試みた。コレラ、アエロモナスは検出されなかった。引き続きこの患者から分離した大腸菌の下痢原性を調べた。方法は、血清型、PCR,続いて毒素産生性で調べた。血清型別では16名から腸管病原性大腸菌が、3名から毒素原性大腸菌が、1名から侵入性大腸菌に属する菌が見いだされた。PCRでは4名の下痢便から、毒素の検出では8名の下痢便から下痢原性大腸菌が検出された。この毒素の検出では複数の毒素を産生している大腸菌も検出でき、本研究で「複数の下痢関連因子を保有する大腸菌の検出」にも成功した。
|
Research Products
(17 results)