2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18406014
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡本 敬の介 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70131183)
|
Keywords | 国際研究者交流 / ミャンマー / 細菌 / 下痢 / 薬剤感受性 / 大腸菌 |
Research Abstract |
ミャンマー国の細菌の汚染状況を明らかにするため、同国のDMR研究所と共同研究を実施している。まず1999年〜2003年にYangon Children's Hospitalで小児217人から分離した大腸菌について解析した。その結果、凝集性大腸菌を30人(13.8%に相当)、毒素原性大腸菌を5人(2.3%に相当)、病原性大腸菌を12人(5.5%)から分離した。出血性大腸菌、侵入性大腸菌は分離されなかった。次いで2007年1月〜9月にChild Ward of North Okkalapa General Hospital病院で下痢症を呈した小児71人から大腸菌を分離し、解析した。その結果凝集性大腸菌を9人(12.7%に相当)から、毒素原性大腸菌を1人(1.4%)から、病原性大腸菌を1人(1.4%)から分離した。傾向としては病原性大腸菌での患者が減少していることがわかった。この病原性大腸菌は都市化が進むと患者数が減少すると言われており、ヤンゴンでもこの傾向が現れている。またこれらの菌の薬剤感受性を測定すると、以前の分離菌では、ナリジクス酸、ノフロキサシンの耐性株は47株中、21株(44.7%)および5株(10.6%)であったが、今回は11株中6株(54.5%)、5株(45.5%)から検出された。この事は細菌のノフロキサシンの耐性化がヤンゴンでもすすんでいることを示している。また大人の血液から分離した細菌の同定を行い、51名から細菌を検出した。最も多かったのは、Salmonella thyphiで16名から分離された。次いでStaphylococcusが9名、Pseudomonasが7名、E.coliが6名から分離された。これらの結果はミャンマーの細菌汚染の実態を知る上で貴重なデータである。
|
Research Products
(15 results)