2009 Fiscal Year Annual Research Report
ブラジルでのワクチン導入前後のロタウイルス流行株の動態調査
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18406016
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中込 とよ子 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40155693)
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Keywords | ロタウイルス / ワクチン / 血清型 / 流行株 / G2P[4] / ブラジル |
Research Abstract |
ブラジルでは、G1P[8]単価ロタウイルスワクチン(Rotarix)が定期接種に導入されて以来、ロタウイルス下痢症が減少する一方、ワクチン株とは遺伝子型が異なるG2P[4]株の相対頻度が高くなった。臨床試験中にcirculateしていたロタウイルスはG1P[8]株が主体を占めており,単価ロタウイルスワクチンのG2P[4]株による下痢症に対する有効性が十分に検証されているとは言えない。そこで、本研究では,Rotarixがワクチン株とは異型なG2P[4]株に対しても有効であるか否かを,ブラジル東北部の小児病院のロタウイルス下痢症例にもとづいて検証した。調査期間におけるロタウイルス下痢症患者の88%に相当する70例がG2P[4]株による下痢症であり、39例(49%)が入院治療を受けていた。ワクチン接種者の割合はG2P[4]株による下痢症患者では70%、ロタウイルス陰性対照群では75%、ARI対照群では77%であった。救急外来で点滴をうける程度以上のG2P[4]株による下痢症に対するRotarixの予防効果はいずれの対象群に対しても生後1年未満で77%であり、入院例に対する予防効果はロタウイルス陰性者を対照としたとき85%、ARI患者を対照としたとき83%であった。本研究によりRotarixにより賦与される免疫が血清型の壁を超えて発症予防に有効に働いていることが示された。
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Research Products
(4 results)