2008 Fiscal Year Annual Research Report
アジアで発見された新種ヒトロタウイルスの性状と浸淫状況に関する研究
Project/Area Number |
18406018
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
小林 宣道 Sapporo Medical University, 医学部, 教授 (80186759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石埜 正穂 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30232325)
鷲見 紋子 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10363699)
長嶋 茂雄 札幌医科大学, 医学部, 助教 (60433116)
三瀬 敬治 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30200025)
谷口 孝喜 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40094213)
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Keywords | ロタウイルス / 新種 / 成人 / 下痢症 / 分子疫学 / アジア / 新興型 / B群 |
Research Abstract |
本研究の目的は、我々がバングラデシュで成人下痢症より検出した新種ロタウイルスB219株の遺伝子学的性状を明らかにすることと、成人におけるロタウイルス感染症の実態を調査することである。新種ロタウイルスB219株の全遺伝子配列の解析はすでに終了し、前年度から今年度にかけて成人ロタウイルスに関する分子疫学的調査・解析を中国、バングラデシュ、ミャンマーで得られた検体を用いて行なった。今回の調査期間全体を通じて新種ウイルスは検出されなかったが、今年度は成人において検出されたロタウイルス、特に新興型(A群G9,G12ロタウイルス、B群ロタウイルス等)の遺伝子学的特徴について詳細に解析した。中国の武漢市における調査では、G9が成人および小児に検出され、それらのVP7遺伝子の配列はきわめて高い一致率を示した。バングラデシュでもG9ロタウイルスが成人、小児のいずれからも検出され、それらのVP7、VP4遺伝子の一致率は極めて高かった。中国、バングラデシュともG9ロタウイルスは1990年代後半以降世界中に分布拡大しているウイルスの系統に属し、アジアにおいても小児、成人いずれにおいても増えていることが確認された。バングラデシュでは変異型P[8](P[8]b)を有するA群ロタウイルスを2株検出し、そのVP4遺伝子の全配列を決定した。これはマラウィをはじめいくつかの国での検出と部分配列の報告があったものである。P[8]bのVP4配列は、基本的にP[8]の系統に属するものの、遺伝子配列ではP[8]とP[4]の中間に位置するユニークなものであり、今後検出系の開発と疫学的調査が必要と考えられた。ミャンマーでは2007年の成人下痢症例より、初めてB群ロタウイルスMMR-B1を検出した。MMR-B1はインド、バングラデシュで報告のあるB群ロタウイルスに遺伝学的にきわめて近く、この系統のB群ロタウイルスが東南アジアへも分布が広がっている可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)