2007 Fiscal Year Annual Research Report
トリクロロエチレン曝露による全身性皮膚・肝障害の環境・個体要因の解明と予防対策
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18406020
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
那須 民江 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (10020794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上島 通浩 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80281070)
柴田 英治 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (90206128)
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Keywords | トリクロロエチレン / 全身性皮膚炎 / 肝障害 / ヒトヘルペスウイルス6 / ヒトヘルペスウイルス7 / サイトカイン / 尿中代謝物 / コホート研究 |
Research Abstract |
中国南部で発生している職業病(全身性皮膚-肝障害)の進展に6型ヒトヘルペスウイルス(HHV6)の再活性化が関与していることが明らかとなったが、トリクロロエチオレン暴露がどのように関与しているか不明である。この点を明画にすることを目的として、中国南部のトリクロロエチレンを使用している工場労働者とトリクロロエチレンを使用していない労働者を対象にコホート研究を開始した。まずパイロット的に名の作業者に対して、問診、トリクロロレチレン曝露濃度(個人曝露濃度測定と尿中代謝物)の調査を行い、採血を行った。採取した血液の血清を用いて、5種類のサイトカイン(TNFa、IL5,IL6,IL10,IFg)を測定した。またDNAを抽出し、所定の方法でHHV6とHHV7の量を測定した。またHHV6のミュータント(AまたはB)を確定した。工場対照群のサイトカインの値から基準値(平均+3SD)を算出し、基準値以上の場合をサイトカインが上昇したと判断した。この基準から判断すると、TRI患者群と工場対照者のサイトカイン上昇者数はそれぞれ、IFN一γ:16名(57.1%)、0名(0%);TNF-α:22名(78.6%)、3名(6.3%);IL-6:16名(57.1%)、1名(2.1%);IL-10:23名(82.1%)、1名(2.1%)であった。一方、HHV6DNAの上昇者は、TRI患者群で29人中15名、工場対照者は47名中2名であった。HHV6のバリアントを測定したところ、工場対照者はHHV6-Aが48名中2名であるのに対し、TRI患者群は29名中11名あり、校舎の方が高かった。また、HHV-6-Bを保持する患者18名中HHV-6が再活性化していた者は13名(68.4%)、HHV-6-Aを保持する患者11名中HHV-6が再活性化していた者は3名(27.3%)であった。
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Research Products
(9 results)