2007 Fiscal Year Annual Research Report
タイ王国汚染地域におけるカドミウム暴露と動脈硬化に関する研究
Project/Area Number |
18406023
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
中川 秀昭 Kanazawa Medical University, 医学部, 教授 (00097437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西条 旨子 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (40198461)
三浦 克之 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (90257452)
森河 裕子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (20210156)
本多 隆文 金沢医科大学, 看護学部, 准教授 (60097441)
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Keywords | カドミウム / 腎障害 / 骨障害 / 動脈効果 / 血圧脈波 / セレニウム / カルシウム / 疫学調査 |
Research Abstract |
カドミウム(Cd)汚染地域住民における動脈硬化とCd暴露との関連性について検討するために、19年11-12月にタイ国メーソットCd汚染地域における疫学調査を行い、暴露指標である尿中血中Cdや腎障害の指標である尿中β2ミクログロブリン(MG)、尿中NAG、骨マーカーに加え(尿中DpD、Ntx、血清BGP)、肥満血清脂質、HbAlcなどの循環器疾患のリスクファクターや血管病変のスクリーニングに有用な方法の一つである脈波伝播速度(PWV)を測定した。 現在、測定を進めている最中であるが、以下の2点については有意な結果を得ている。 1)男性では、尿中Cdは尿中リン(P)と負の、β2-MG、NAG、DpDとは有意な正の相関を、女性では、尿中Ca、β2-MG、NAG、Ntxと正の有意な相関を認め、Cd暴露と腎障害、骨障害との関連性が示唆された。 2)男性では尿中CdとBMI、Hb、総コレステロールが負の有意な相関を、女性ではBMI、拡張期血圧、血清KおよびCaと負の有意な相関を認め、Cd暴露の多い者ほど、痩せて、貧血や低血圧になる傾向が示唆された。3)上記の相関は年齢を調整した偏相関係数を算出した場合でも同様に、男性では、尿中Cdと総コレステロール、HDLコレステロール、女性では拡張期血圧、BMI、尿中Caなどの循環器危険因子と有意な負の相関を認めた。 以上より、Cd暴露の循環器危険因子への影響が認められたが、今後、PWVとの関連など、動脈硬化度との関連性についても解析を進めていく予定である。
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