2008 Fiscal Year Annual Research Report
タイ王国汚染地域におけるカドミウム暴露と動脈硬化に関する研究
Project/Area Number |
18406023
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
中川 秀昭 Kanazawa Medical University, 医学部, 教授 (00097437)
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Keywords | カドミウム / 腎障害 / 骨障害 / 動脈硬化 / 血圧脈波 / セレニウム / カルシウム / 疫学調査 |
Research Abstract |
カドミウム(Cd)汚染地域住民における動脈硬化とCd暴露との関連性について検討するために、肥満度、血清脂質、HbA1cなどのリスクファクターと共に、血管病変のスクリーニングに有用な方法の一つである脈波伝播速度(PWV)を測定し、暴露指標である尿中Cdや腎障害の指標である尿中β2ミクログロブリン(MG)との関連性を検討することを目的として、タイ王国メーソット地区のCd汚染地域住民および、汚染地域には指定されていないが、日本の中ではCd負荷量が高いと考えられる、富山県黒部市在住の50歳以上の某企業従業員および退職者251名を対象として疫学調査を行った。その結果、富山県の対象者では腎障害の指標であるβ2-MGと左右のPWVの間には有意な正の相関が認められたが、メーソット地域住民では両者の関連性は認められなかった。今後さらに、年齢、血圧などの交絡因子を考慮した検討を進めていく予定である。また、また、セレン(Se)はCdとの拮抗作用が知られているだけでなく、抗酸化物質の一つに数えられ、動脈硬化との関連性が報告されている微量元素であるが、尿中Seの原子吸光法を用いた簡易測定方法を確立し、多数の尿サンプルの測定を可能にした。この方法を用いて、タイ王国Cd汚染地域住民および富山県の対象者についての測定を行った。その結果、富山県の対象者についてはβ2-MGなどの腎尿細管障害との有意な正の関連性が認められた。
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