2006 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア抵抗性及び不完全免疫を支える遺伝生態学的背景
Project/Area Number |
18406025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石田 貴文 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 准教授 (20184533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井原 泰雄 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (90376533)
清水 華 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80401032)
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Keywords | マラリア / 遺伝的抵抗性 / 民族 / インドネシア |
Research Abstract |
マラリアと人類の歴史は長く、マラリアはその浸淫地域のヒトゲノム構成に干渉してきたと考えられている。マラリア流行地における適応的現象の1つである不完全免疫(Premunition)の成立はよく知られた現象であるが、その機構は未だ解明されていない。本研究では現地調査を基に、不完全免疫成立にかかわる遺伝と生態の寄与を明らかにし、さらに、前者の遺伝的多様性に基づき、抵抗性の来歴とそれら民族の足跡をたどることを目的とする。 既存の試料を用い、遺伝子解析の比較データを集積し本調査の準備をした。タイ南部ラワイ村からはマラリアは一掃されたと言われているが、2004年に住民の一部の遺伝形質を調べたところ、G6PD欠損・バンド3遺伝子27塩基欠失が高頻度に見いだされていた。それらを含め、研究対象地域のヒト集団の移動を知る上で、基礎データとなるG6PD変異型の分布解析を行った。 ジャワ島中部では、三日熱マラリアが常在し、住民にG6PD欠損及び欠失型バンド3が確認されていることから、現地における原虫培養実験の可能性を探った。マラリア研究施設は存在するものの、無菌操作を主とする実験を行うことは難しいと判断された。 既に乾季のデータが得られているインドネシア東部諸島スンバ島では、共同研究者ソマントリ教授の調査に同行し、雨期の調査をおこない、試料を収集した。それらの試料については、G6PD欠損、卵形赤血球症のスクリーニングを進めている。 各民族の出自を明らかにするため、遺伝子解析をおこなう。遺伝子型に民族・地域特性があるJCウイルスの解析をおこない、スンバ島特有の亜型分布を明らかにした。
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Research Products
(3 results)