2008 Fiscal Year Annual Research Report
開発途上国における環境汚染の発生・生殖影響に関する国際共同研究
Project/Area Number |
18406026
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
横山 和仁 Mie University, 大学院・医学系研究科, 教授 (00158370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 文彦 三重大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20301145)
木田 博隆 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00402678)
駒田 美弘 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80186791)
荒記 俊一 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 理事長 (00111493)
モーセン ヴィージェ 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 国際情報・労働衛生研究振興センター, 研究員 (80455485)
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Keywords | 分娩 / 生殖 / 微量元素 / 農薬 / 開発途上国 / 中国 / イラン / 先天異常 |
Research Abstract |
グローバルに使用されている環境化学物質と生殖・胎児毒性影響との因果関係を明らかにすることは、人類の存続に直接関わる生殖機能を正常に維持し、次世代を担う胎児の健全な出生をサポートするための予防医学的あるいは臨床医学的方策を決定する上で極めて重要である。また、急速に産業化しつつある中国およびこれまで学術交流が乏しいイランとの研究交流を推進することは重要な社会的かつ学術的意義があると考える。以上より本研究の構想にいたった。本研究では、妊娠、出産に至るまでの女性生殖機能影響、ならびに胎児・新生児に出現する先天異常障害の量-影響(反応)関係を、開発途上国を対象として明らかにすることを目的としている。平成20年度では、テヘラン医科大学、上海交通大学および大連医科大学の付属病院および関連病院に出産の目的で訪れた妊婦、その配偶者および胎児から昨年度収集し、さらに追加収集した以下のデータを解析し、総合的に検討した。(1)母親(妊婦)の静脈血および臍帯血、尿。(2)対象者が常用する食物、飲料水、薬品(民間薬等があれば)、化粧品のサンプル。(3)母親の年齢、体重、身長、血圧、教育歴、収入、分娩形態、職歴、喫煙・飲酒、既往歴(周産期異常を含む)、妊娠・出産歴、飲料水供給源(水道、井戸など)、牛乳消費量等。(4)新生児の出産週齢、身長、体重、頭囲、胸囲、Apgar score、先天異常(体表奇形ほか)等。(5)父親(配偶者)の年齢、体重、身長、血圧、教育歴、収入、職歴、喫煙・飲酒、既往歴、飲料水供給源(水道、井戸など)、牛乳消費量等。以上より、砒素、マンガン、鉛等が新生児体重や子宮内発育に影響を及ぼすことを見いだした。一部は国際誌の論文(Reproduct Toxicol 25,2008ほか)や学会報告として公表した。さらに、次年度に、対象母子の追跡調査を予定している。
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Research Products
(2 results)